
たとえば子供の頃、母親なんかとケンカでもして、少し親を困らせるような魂胆で、「暗くなっても家に帰らないぞ」などと子供ながらに意地を張り、それでいながらやはり子供だから辺りが暗くなると心細くなり、ちょっと悔しい気持ちのまま家に帰る…なんてこと、なかったですか?
ちゃんと帰ってきてやったのに、「こんな時間まで何してたのよ!」とまた怒られて、「ああ、なんでこんな親のところにオレ(アタシ)は帰ってこなければならないんだろう」…と、子供心に世の不条理に悲嘆したりして。
今日ボクは、夕方近くなってから、街の東の郊外にある滝の写真を撮りに行きました。
なぜ夕方近くなってからかというと、今までの失敗体験から、滝や渓流などの撮影は、晴天の日中よりも曇天や早朝夕刻など強い日射しのない時のほうが、雰囲気のある写真が撮れるようだということが分かってきたからです。
それでいて、夕方近くなってから撮影に出かけるというのもちょっとためらわれるものがあったのだけど、ま、同じ後悔するなら、やらずに後悔するよりやって後悔しよう…ってことで。
案に違わず、いい感じの滝の写真が撮れて、意気揚々引き返してきました。
我が家に帰るには、スーパーの駐車場を突っ切るのが最短距離。ここまで来れば我が家まではあと5分足らずです。
が、先ほどから我が身を襲い始めていた睡魔。
眠くてしょうがないのです。
ここまで来たのだから、あと一息、家まで戻ってそれから横になってもよかったのだけど、ふと、「なにも伝書鳩のように律儀に急いで帰ることもないんじゃないか」などという考えが、脳裏をよぎったのでした。
少し“ちょいワル”の気分で、わざと帰宅時間を遅らしたっていいじゃないか…って。(それを“ちょいワル”と呼べるかどうかはともかく)
で、駐車場の片隅にクルマをとめて、シートを倒して、ここで少し寝ていこうと決めたわけです。
iPodでサザンを聴きながら、スーパーの駐車場にとめたクルマの中で、家路に足踏みしたのです。
20分ほどもうつらうつらして、さあそろそろ帰るべえと目を開けたら、空いっぱいの茜雲。
よし、今日の最後にこれを撮っていこう。
もし母親(もしくは奥さん)に「なんで遅くなったのよ」となじられたら、「夕焼けがきれいだったんでタイミングを待ってたんだ」…って言い訳もできるし。
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- 2008/06/23(月) 23:05:16|
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前回の記事で載せた写真は、秋田内陸縦貫鉄道の阿仁合駅で撮ったものです。
第三セクターのこの鉄道、ご多分に漏れず大赤字の路線で、一部では「廃止もやむなし」という声が上がっています。
しかし同時に、まだまだ存続の方向性を模索できるはずだと、津島が持っている連載コラムでも「頑張れ内陸線」的なコラムを書き、それに添えたのがあの写真なのでした。
記事が載った冊子をつくっている制作会社でも“廃止反対派”が多かったみたいで、とは言いながら、今まで一度も乗ったことがないという人も少なくなく、「ならば、まず乗ってみようじゃないの。議論はそれからだ」ということになって、トントン拍子に内陸線で行く“大人の遠足”計画がまとまったのでした。

参加者は、その会社の社員有志と津島の計11名。
秋田からワンボックスで出発して、内陸線の途中駅まで行き、そこから列車に乗って数駅進み、有名な滝を見て温泉に入って帰ってくるという日帰りプラン。
滝の近くまで道が通じているので、直接まっすぐクルマで向かうこともできるのだけど、そこをあえて列車に乗り継ぐというのが“大人の粋”でもあるわけで。
実際、列車に乗るのは久しぶりという人もいて、キャッキャと、ほんとうに子供の遠足のようなはしゃぎぶりでした。

内陸線は秋田県のほぼ中央部に位置する森吉山の西麓を南北に走ります。その森吉山麓の「安の滝」が我々の目的地。
実は、最寄り駅から滝入口までは数キロの道のりで、この移動のために、秋田から乗車駅まで乗ってきたワンボックスを先回りさせて下車駅で待機させるという、やや強引なプランでもありました。そうまでしてでも、たとえわずかな区間だけでも鉄道の旅を楽しむというやり方は、ありだと思っています。

滝入口から滝までは約2km。ここからは徒歩になります。
渓谷沿いに遡上するだけなので軽いもんだろうと高をくくっていたら、これがどうして、意外にアップダウンがあって、日頃の運動不足もたたり、完全に息は上がってしまいました。
ただし、あくまでも悪いのは自分のほう。そんなに険しいルートではないので、ふだん健康に過ごしているなら軽装でも行ける気軽なハイキングコースです。

朝出発して直後に激しく後悔したことが一つ。
それは、三脚を忘れてきてしまったこと。
滝を撮る時はNDフィルターを駆使してスローシャッターを切るのがセオリーと心得ているので、たとえ荷物になっても三脚は必携なのだけど、少し慌てていたこともあって、クルマが発車してから忘れてきたことに気づいたという始末。いかんね、カメラマン失格だね。
とりあえず、標柱などにカメラを押し当てて、息を殺してシャッターを切って、あとからブレてる写真とブレてない写真をフルイにかけるという素人じみた写真術…。
しかし、あれだけ息が上がるんだったら、少しでも荷物を少なくしてきたのも、それはそれで正解だったかもと負け惜しみを言いつつ。

片道わずか2kmの山歩きながら、天気がいいこともあって全身ぐっしょり。
山をおりてすぐのところに温泉があって、まずはさっそく風呂に入って汗を流すところだけど、そこは“大人の遠足”。「先に生ビールだろう」と衆議一決。乾杯して飲んだ生中の、いや美味いこと!
そして2杯目は「ドブロク」。ここは“ドブロク特区”になっていて、世間では勝手につくってはいけないことになっているドブロクを、ここでは堂々と飲める。
ドロドロとしていて、少し酸味があってピリピリしているドブロクも、これもまた“大人の醍醐味”だなあ。
とても楽しい「大人の遠足」でした。
やはり三脚を忘れていったのが心残りなので、リベンジとして、もう一度三脚持参で安の滝に行ってこなければ!

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- 2008/06/22(日) 14:37:58|
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何かの因縁かしらん。
ふと、秋田生まれの美貌の女流作家、矢田津世子のことが気になってwikipediaを開いてみたら、彼女は1907年6月19日の生まれだという。
12時を過ぎたので日付は変わってしまったけれど、まさしく今日の生まれだったんだ!
本人が生まれた日に彼女のことがちょっと気になったというのも、なんだか不思議な巡り合わせだ。
6月19日といえば、太宰治が生まれた日でもあり、かつ、彼が玉川上水で入水心中をして、なきがらが発見された日でもある。6月19日は桜桃忌だ。
そんな6月19日の夜なので、津島はいつもより多めに、焼酎甲類を飲んでいる。
ちなみに言えば、矢田津世子は巷間坂口安吾の恋人として知られており、安吾と太宰は同世代の作家、やはり同じ時代に生きた檀一雄には、「太宰と安吾」という著作がある。
檀一雄がみずから“火宅の人”としての生き方を始めることになった一つの“着火点”は、青森県の蔦温泉にあった。
そしてこの蔦温泉は、同温泉のホームページによれば、作詞家岡本おさみが同温泉に泊まったときにインスパイアされたものを書き留めて、吉田拓郎の「旅の宿」の詞になったのだという。
人は、いろいろなものでつながり、あるいは絡み合っているのだ。
先週、ボクは、蔦温泉にも遠くないランプの宿として知られる温泉に泊まった。
ボクが小説家か作詞家だったら、そこで何か一つ新しい作品が生まれたかもしれないけれど、凡庸な津島は、ただ無邪気にカメラのシャッターを切っているだけだった。
そうだな、いつか津島が死んで、皆さんが密かにその日を忘れずにいてくれるのなら、その日は“焼酎忌”とでも呼んでください。できれば、“焼酎(乙)忌”と呼んでくれたらなお結構です。
甲類よりは乙類のほうが、まだしもカッコいいと思うんで。
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- 2008/06/20(金) 01:02:36|
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いやあ、感慨無量です。
日付が変わって間もなくのころ、津島ブログは10万アクセスを達成致しました。
ありがとうございます。皆様のごひいきのおかげです。
2005年8月19日にスタートしたブログですから、ちょうど2年10ヶ月での節目の時となりました。
思っていたよりも早く10万アクセス達成となったため、赤ワインを準備する間もなく、今夜は焼酎甲類で乾杯しておりますです。
自分で写真ブログを始めて、いろんな人の写真を見させてもらう機会も増えて勉強になったし刺激も受けたし、それから新しい友だちもできたし、なんだか、自分の人生の中でもものすごく意義深い2年10ヶ月だったと思います。
来月にはボクが講師を務める3回目の日帰り撮影ツアーが予定されていましてね、今回は、秋田のあるローカル鉄道のお座敷車両を借り切っての撮影ツアーで、列車を降りてからスキー場のゴンドラに乗って山に登り、お花畑の写真を撮るというツアーになっています。
時期的に、百花繚乱というわけにはいかないかもしれないけど、ニッコウキスゲくらいは撮れるはずで、とにかく、ボク自身が実感している「写真生活って楽しいよね!」っていう感覚を、多くの参加者と分かち合いたいと思っています。
そんなわけで、2年11ヶ月目からの津島ブログもよろしくお願い致しますです。
では改めて、ルネッサ〜ンス♪
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- 2008/06/19(木) 01:08:08|
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これまでこのブログでは、今までに僕が出会った女性(と)のことや、その女性との出会いからインスパイアしたストーリーをよく書いてきた。
ありがたいことに、僕には、激しい諍いなどして二度と思い出したくもないような別れ方をした女性は、ほとんどいない。今は音信が途絶えていても、それは波風もなく自然にフェードアウトしていったもので、だからいつになっても、ふとその人のことを思い出す時、その記憶は、ほっこりととても懐かしいものなのである。
そういえば、先日の東北の地震のときも、今現在の女友だちからも安否を尋ねるメールが来ていたけれども、ほとんど忘れかけていたような古い女友だちからも「大丈夫だった?」と、メールが入っていた。
失礼だけれども、ボクのほうはもうその人のことをほんとうに忘れかけていたので、その一本のメールで、少なくとも向こうからすればボクはまだ“友だちの括り”の中にいるのだろうなということが分かって、嬉しいような面映いような気持ちになるのである。
少し古い話だけれども、初めての外国取材ということでドイツに出発する前日、ボクは都内のホテルに泊まっていた。
そこにN子から電話が入った。
ボクは、かなり驚いたのである。
N子とは、もう半年以上前に別れていた。
憎しみあった果てのケンカ別れではなかったけれども、潮が引くように彼女のほうの気持ちがさめていって、ボクはまだ若干の未練を引きずりつつ、そろそろ終わりにしたいという彼女の言葉を尊重したのだった。
つまり、ボクのほうはともかく、彼女からすればもうとっくに終わったつきあいなのだ。今更思い出したくもないと思っていても不思議ではなかった。
それなのに、外国に出発する前夜のホテルの枕元の携帯に、その別れた女友だちから“声の見送り”の電話がかかってくるのである。
オンナの気持ちは、なかなかよく分からない。
少し切ない気持ちを引きずりながら旅立った、ドイツであった。
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- 2008/06/17(火) 11:54:51|
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