
見通しのよすぎる一本道も困りものだ。
やっと遠くに姿を見せた君が、ボクの目の前に来るまではまだ数十秒もかかるというのに、そのあいだボクはどこを見ていればいいというのだろう。
数十秒もずっと君から視線をそらさないでいられるほど、ボクの神経はタフではない。
とは言っても、ずっと気づかないフリをしているのもしらじらしい。
ああ、カメラを持ってきていてよかった。
カメラは、照れ隠しのフェイクだ。
まだ遠くにいる君をちらと一瞥したあと、ボクはまたファインダーを覗いている。(内心、少しドキドキしながら)
やがて君は、ボクのすぐ横まで来る。
そのことにさっきからずっと気づいていたようにしながら、ちょっとだけカメラから顔を離して、「ごめん、この桜を撮ってしまいたいんだ。悪いけど、ちょっと待ってな」。
ファインダーを覗きながら、もちろん何カットかはシャッターを切るのだけど、その間、少しずつボクは呼吸を整えている。
テーマ:写真にコトバをのせて - ジャンル:写真
- 2008/05/12(月) 00:01:46|
- OLYMPUS E-300
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