
一昨日、GW最後の行事として、女房と、緑の湯色が特徴の山上の温泉に行ってきた。
片道2時間の行程だ。
当然カメラは持っていく。当然写真は撮ってくる。遊びながらも、仕事はする。
貧乏性カメラマンのなせる業である。
その2時間の車中、ただカーラジオを聴いているだけというのも芸がないので、ここは一つ、女房としみじみ語り合おうと思ったのだ。
ボクが話の種にしたのは、その日の朝ネットで読んだ話題。
20年間続いた引きこもりを克服した
39歳の女性の話だった。
引きこもりとか不登校というものは、分からない人にはどこまでいっても分からない世界なのだと思う。
この女性も、父親が引きこもりに対してまったく理解を出来ず、力ずくで部屋の外に引きずり出そうとされたりもした。
親にすら自分の苦しみを分かってもらえず、彼女はいっそう心にブレーキがかかってしまうのだ。
今となってみれば、ボクとしては、本人の気持ちも父親の気持ちも、少しは分かる気がするのだ。
実は、我が娘も、短い期間だったけれども不登校を体験している。
いくら聞いてもはっきりとした理由を示さず、病気のようにも思えず、それなのに学校を休み続ける。
業を煮やした父親のボクは、それこそ首に縄をつけてでもとにかく学校に送り出そうとしたこともあった。
しかし、そうすればそうするほど娘はかたくなになる。
何が転機だったかは忘れたが、幸いにボクは考え方を切り替えることが出来た。
「これは力ずくでどうこうしようというものではないのかもしれない。一方的にこちらの“都合”を押し付けるのもよくない。分かってやるのが一番なのではないか」…と。
それですぐにボクは、「何も気にすることはないよ。君は休みたいだけいくら休んでもいいんだからね。なあに、長い人生の間、少しくらい足踏みしたって全然問題ないよ」というような言い方をしたのだった。
そういった親の態度が奏効したのか、うちの娘の不登校は比較的短期間で済んだし、一つ前の記事でもご覧いただいたように、今は心身両面で安定したたくましい娘に育ってくれたので、そういう意味でも感慨深いものがあるのだ。
で、39歳の女性の話に戻るけれども、彼女の引きこもり時代は、家族などの周りの人たちも辛かっただろうけど、やはり本人が一番辛かっただろうと思うのだ。
決して怠け病でも、好き好んで引きこもっているわけでもない。むしろ、自分でもなんでこうなってしまったのか理解出来ずに苦しんでいるのだ。そして、一番分かってほしい肉親にも分かってもらえない疎外感…。日々を生きていくだけでも苦しかったろうと思う。
なので、20年もかかってしまったとはいえ、やっと引きこもりを克服し、目標のある人生を歩み始めたというこの記事を、我がことのように嬉しく読んだのだった。
その気持ちを、女房と共有したかった。
だけど、女房の反応は、微妙にボクが期待してたものとは違っていた。
「でもその人は、何もしなくても20年間食べてこれたんでしょ?それって幸せなことなんじゃないの?引きこもりたくても食べれなくて出来ない人だっているんだから」
幸せ?う〜ん、どうなんだろうか。周りの人間が「彼女は幸せなほうだ」と論評することはできるだろうけど、当事者である彼女が“自分は幸せ”と思うことはできただろうか。あるいは、そう思うべきだったろうか。
なんか違うな。しっくりこないな。
ボクは、女房に大いに反論したかった。
でも、やめておいた。ちょっと気持ちがもやもやしたけど、ここは曖昧なままでもいいだろうと、思った。
そうしてボクたちは、緑の湯色の山上の温泉を楽しみ、帰路のところどころでクルマを止めてボクは写真を撮り、その間女房は、山菜でも出ていないかしらと自由にあたりを徘徊するのだ。
女房が、「あんたと一緒になったばっかりに、うだつの上がらない不幸な人生になってしまったわ」と思っているか、「毎日の生活は苦しいけど、たまにこうやって温泉に連れてきてもらえるから幸せだわ」と思っているか…、ほんとうの胸の内はどっちなんだろうかと思うのだけど、それも、あえて曖昧にしておこうと思う。
人生、白黒はっきりさせるよりも、曖昧なままでいたほうがいいこともある。
テーマ:写真にコトバをのせて - ジャンル:写真
- 2008/05/08(木) 14:17:26|
- OLYMPUS E-300
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津島さんのお嬢さんと同じような経験を、次女が高校時代にしたことがあります。
我が娘の場合は、高校2年で学校をやめるといって登校しなくなりました。私は
そのうちに行くようになるだろうと、しばらく放置していたのですが、担任の先生
が数回家に来られて説得されても全く動じず。そこであと一日で自然退学になると
いう前日、「ママはあなたの親としての責任があるから、どうしても言っておきた
いことがある。耳に蓋をしていてもいいから、とにかく聞いて頂戴」と椅子に
座らせ、人生とは…を2時間も語り^m^、最後に「では明日一日休むと自然退学に
なるので、それ以後は自分で職を探して自立してね。親の援助は一切期待しないで」
と、話を終えました。
翌朝目が覚めると、娘の姿がありません。しかし、娘の部屋から制服とカバンが消え
ていたのです(^^♪。そして、その日の午後、黙って帰ってきた娘を私も黙って迎え、
半月ほど、登校についての話には一切触れませんでした。でもある日、娘の表情が明
るく見えたのでケーキを食べにいこうと喫茶店に誘ったとき「学校、続けられそう?」
とさりげなく聞いてみたら、「退学したあとの不安がもの凄くあったけど、この間の
ママの話で何となく先が掴めたから、続けられそう」といいました。お陰で今は、美術
系の専門学校の先生をしています。
といいうことで、津島さんがおっしゃるように、人間は力ずくでこちらの思うようにし
ようと思っても駄目なんですね。何かを契機に、自分で気づくことが大切。39歳の
女性の気づきは遅かったけれど、場合によって父親という頑丈な城壁が崩れたことで
彼女は解放されたのではないかと思います。それは父親の暴力でPTSDを発症していた
自分の経験から理解できます。あ、勝手な長い書き込みでごめんなさい。
- 2008/05/09(金) 12:30:50 |
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- みず保 #EBUSheBA
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みず保さん、長い書き込み、大歓迎ですよ。
黙して語らずも美学だけど、言っちゃったほうがすっきりして精神衛生上いいってこともあります。
愚痴、ぼやき、カミングアウト、懺悔…お気軽に♪
人の子の親になるのに、公的な資格や免許なんてものは必要ないから、とても危うい親もいるし、その親のために子供が苦しめられたり人生を狂わされたりということも、珍しくないと思います。
「子供のためを思えばこそ厳しく躾けている」と言いながら、実態は“虐待同然”であったりもします。
猫っ可愛がりは却って子供ためによくないと思うけど、とにかく、何があっても子供にとって親が一番の味方でなくっちゃね…って、思うんです。
ボクにとっては、自分の両親はあまり好きになれない存在でした。暴力的だったわけではないけど。
なので、ボクとボクの親の間での“不完全燃焼感”を自分が引きずっているからこそ、ボクとボクの子供たちの間では、いつも親としての“立ち位置”を考えながら日々を過ごしたいと思っています。
- 2008/05/09(金) 16:54:26 |
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- 津島 #-
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こんにちは。
私の友達に、ひきこもりとは言わないけど、お兄さんがずっと家にいる人がいます。
働きもせず、家にいるようです。
精神的な病気ってわけでもなく、ただプータロー?(あやうくやくざになるとこだったみたいな、元ヤンキーさんのようです)
今はお父さんが働いているから(お母さんは病気らしい)生きていけてるけど、いなくなったらどうするんだろう。
その弟(友達)も、そんなおにいさんがいるからか、なかなか結婚を決められない様子。
彼女も可愛そうだ。
- 2008/05/10(土) 12:53:34 |
- URL |
- tsukasa #2oMqC0Wc
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実は、ボクの友人にもそういうのがいるんですよ。
会社勤めで成果をあげられなかったことから挫折してしまって社会からドロップアウト。食っていくために色々な仕事に就くのだけど、ことごとく長続きしない。生活費は母親の年金頼り。当然友だちも離れていって、たまにボクのところに電話をしてくると、酔っぱらっているようでろれつも回らず…。
「お前、今のままじゃダメだろう」とたしなめるのだけど、一度精神的にドロップアウトした人間を社会復帰させるのって、そんなに簡単なことじゃない。
なんとか出来ないものかなと思うけど、妙案も浮かばず。
ボクに余裕があって事業でもやっていたら、とりあえず彼を雇って食わせていくってことも考えられるんだけどね。
なんせ、ボクも食うや食わずなもんで(^^;
- 2008/05/11(日) 01:12:24 |
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- 津島 #-
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とりあえず気持ちが外に向くのはいいことです。
ボクも、気持ちがちょっと鬱モードになった時は、「家にこもっていても埒があかないから、とりあえず外に出よう」と、思います。外に行っても、何も変わらなかったりするのだけど、それでも家にこもっているよりは、気持ちを外に向けるだけでも意味があるのかなと。
親しき仲にも礼儀あり…というけど、親しい間柄にこそデリカシーのある態度をとってほしいものですよね。
親しい間柄ということで気の緩みが出るのだろうけど、今目の前にいる人に優しい気持ちで接してあげられるかどうか…、そこにその人の人間性が出ますね。
- 2008/05/12(月) 23:17:35 |
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- 津島 #-
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