
美人は三日で飽きるけど貧乏は三日で慣れる…って、よく言いますよねえ。
あれっ、違いましたっけ?
ま、いいや。
いやぁ、しっかり慣れましたわ、貧乏。
慣れてないころだと、お金が足りなくなると青くなって右往左往していたものだけど、慣れてくると、「だいじょぶだいじょぶ、なんとかなるから」…って、至ってお気楽。
ボクは自由業だから収入自体も元々少ないけど、お金が入ってくるタイミングもかなり不規則。
もうちょっと待てばそこそこまとまった金が入ってくると分かっていても、その前に今の手持ちのお金がなくなってしまうってことも珍しくなく。
例えばですけど、ボクはクルマで遠くまで取材に行くってことがよくあるわけじゃないですか。
行きの分のガソリン代は何とかなるけど、帰りがちょっと微妙…ってことが、あるわけですよ。
タンクのガソリン残量も少なく、給油するにもお金がちょっと…みたいな。
何年か前、陸中海岸の温泉宿を取材に行くときもそうでした。
ちょうど、東北を日本海側から太平洋側まで横断する形になります。
自車の平均燃費で計算すると、往路の分は十分だけど、帰路はちょっと…ていうか、絶対無理!みたいな。
それでもボクは、決死の覚悟で出発するのです。
なぜなら、温泉取材なので一泊するわけだけど、翌日になれば、予定通りいけば一件の入金がある。現地のATMでお金をおろせば、問題なく帰ってこれるのです。
なんだか、とりあえず片道分の燃料だけ積んで飛び立つ特攻隊の少年兵の気分なのです。しょ、少年兵?!
ところがね、稀に、予定通りに入金にならないことがある。
これが怖い!
厳しい借金の取り立てがあっても、明日になれば金が入ってくるはずだからと息をひそめているところ、その明日になっても口座に振り込まれる気配がない。その、生きた心地のしないこと!
しかし面白いことに、そんな絶体絶命の場面を何度かくぐり抜けてきて今があるわけで、だからもうなんだかちょっとずるくなってきて、かなりのピンチでも、「だいじょぶ、なんとかなる」…って、思ってしまうわけです。
実はね、これは回想録でもなんでもなく、今でもこういうことはあるんですよ。
30日の夜に、もしかしたら東京に向けてクルマで出発することになっていたかもしれないのです。
これはボクの一存で決められることではなく、いろんな話の成り行き上、行くとなったら有無を言わさず行かなければならないし、直前になって「やっぱり今夜の出発はなし」ということになるかもしれないという、微妙な“案件”でした。
結果的に30日の出発はなしになったのだけど、もし出発することになっていたら、“三日で慣れる貧乏生活”のノウハウをいかんなく発揮しなければいけませんでした。
というのも、行きのガソリンは何とかなるけれども、今は手持ちの現金が心もとなく(カードも残高微妙)、下手すりゃ帰ってこれなくなる仕儀に。
そうなったらもう、ボクを支えてくれる愛人を見つけて、その人に食べさせてもらいながら各地を転々として隠遁生活を続けていくしかないじゃないですか。(それは妄想のし過ぎか)
いや、まあ、それでも、「30日に行くなら行くでいいぜ」と引き受けたのは、31日にいくばくかの入金がある予定だったから、それを東京で引き出せば帰ってくるのも全然問題がなかったからです。
問題があるとすれば、31日に予定通りに入金がなかった場合…。想像するだに身の毛がよだつ…
もしそうなったらしかたない、関東甲信越一円に居住する誰かに電話して、「すまないが、帰りのガソリン代をかしてくれないか」…と。その代わり、オレのこと好きにしていいから…とでも。
とにもかくにも、30日夜の出発はなくなり、31日朝の出発もなくなり、もしかしたら31日夜の出発になるかもしれず、それすらも延期になったら「なんだかめんどくせえなあ」なんて気分になってしまいそうで、そういう後ろ向きの気分を紛らすために、保険としてツタヤからデンマーク映画『奇跡の海』を借りておいたのでした。
はたして31日の朝から夜にかけて、ボクは大雪の秋田にいて、秋田で“予定通り”の入金をしかと確認し、月末なのでいろいろ払うべきところの支払いを済ませて、これから『奇跡の海』を観ようとしているわけです。
まんざらでもないぜ、貧乏生活。
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テーマ:鉄道写真 - ジャンル:写真
- 2012/01/31(火) 23:04:41|
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