津島修三ブログ

カメラマン兼ライター津島/愛と妄想のブンガク的空間

他人を心配している場合じゃないけど

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こう見えてもツシマは、県内でも有数の進学校の出身である。
と言っても、成績は常時最低レベルだったから、何の自慢にもならないのだけど。

同級生で、名のある四大を卒業して地元の共済団体に営業で入った友人がいる。
今から思えば彼は営業向きではなかったと思うのだけど、結局数年で仕事を辞めてしまい、それからはハローワーク通いで、断続的に職に就くことはあったけれども長続きせず、通算すれば無職でいた時期のほうがずっと長かった。
母親と二人暮らしで、その年金もあったから、収入がなくてもどうにかこうにか食っていくことはできたようだ。

その彼が、忘れたころにボクに電話をかけてよこした。
言うなれば、世の中からドロップアウトしてしまった人間で、親しく交わる友人もなく、数少ない話し相手の一人がボクだったというわけだ。
「お前にもプライドがあるだろうけど、仕事を選り好みしている場合じゃないから、とにかくやっていけそうな仕事があったらそれに就いて、とりあえず収入生活を続けていくしかないじゃないか」…。
人を説教するような立場ではないけれども、他に言いようもなかった。

頑張ろうとか這い上がろうとかいう気持ちのある人間であれば、どうにかはなるものだと思う。
ひたむきに頑張っていれば、それに目をかけてくれる人もでてくる。
だけど、空気の抜けたタイヤのように、心にすっかり張りを失ってしまった人間には、周りでどんなに親身にアドバイスしてやっても、結果に結びつかないものだ。
四十を過ぎたころからはボクも少しいらつき始め、「お前、仕事探してるって言ってるけど、ほんとうのところ、真剣に働く気はないんじゃないか?」などと、少しきつい言い方をすることもあった。
いくらかでも彼に緊張感を持ってほしいと思ったからだ。

五十を過ぎてからも、相変わらず彼はハローワーク通いをしているというのだけど、さすがに今から仕事を見つけるのはもう無理だろうと、ボクも思い始めていた。
むしろ、ここまで無職でも食ってこれたんだからこのまま行けるところまで行ったらいいんじゃないか?…と、半ば本心で、そういう言い方をしたいと思っている。

ここ数ヶ月、彼からの電話はない。
たとえ電話がきても、力になってやれないと思うし、気のきいたアドバイスも出来ないと思うのだけれども、電話が来なきゃ来ないで、ふと心配になってくる。



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  1. 2011/02/02(水) 01:17:16|
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