津島修三ブログ

カメラマン兼ライター津島修三のブログ

 秋日和

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私の夫はときどき機嫌が悪くなる。
私が悪いわけでもないのに私の前でもむすっとして不機嫌そうに、こちらから話しかけても生返事だったり、めんどくさいときは返事すらしない。
若い頃の私は、そんな夫の態度が気に入らなくて癇癪を起こし、つまらないことでケンカを繰り返していたものだった。
さすがに今となっては、手のひらの上で孫悟空を好きに遊ばせているお釈迦様じゃないけど、私にもそれくらいの気持ちの余裕は出てきて、「ああ、またいつもの“心のストライキ”が始まったわ」と、夫の気が済むまで放っておくのだ。
人の何十倍もお気楽な生き方をしている我が夫ながら、それでもたまには苦しんだり悩んだりすることもあるようだ。そして、男のメンツなのか、どんなことで苦しんでいるのかは、私にはあまり話したがらない。私からすれば、話してほしい気持ちもないわけではないけれども、私には余計な心配をかけたくないという、夫なりの気遣いなのかもしれないし、あれこれ詮索せず、普段と変わらずに夫と接しているのが、そういうときの夫に私ができることだと思っている。きっと、夫もそれを望んでいる。
そもそも、どんなに機嫌が悪くても、ほっといてくれとか、一人にしてくれとは言わないのだ。そばにいてくれとも言わないけど、少なくとも私を突き放すことはしない。可愛い人。
夫がどんなに機嫌が悪いときでも、一緒の買い物のときなどは私から手を伸ばして夫と手をつなぐ。
夫は、それはめんどくさがらない。おかしい人。

そんな風にして、不機嫌な夫と手をつないでスーパーに買い物に行く秋日和の一日。


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  1. 2007/10/31(水) 12:00:36|
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キミにデフラグ

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さて困った。
昨夜たまたまiBookにデフラグをかけたので、なんとなく“語呂の良さ”だけで上↑のようなタイトルにしてみたけど、ブログの中身をどんな話にするかは何も考えていなかった。
しかたない。では、この時間は自習にしま〜す。
  :
  :
そうもいかないか…。
津島からどんな話が聞きたい?
たまにはリクエストを募るのもいいかもね。
あ、ついでだから津島からもみなさんにリクエストします。
どなたか、“修悦体のある風景”を写真に撮ってご自分のブログに載せてください。
お知らせいただければあとで拝見におうかがいします。
修悦体については、ネットで調べてくださいね。

えぇと、むりやり“デフラグ”にこじつけた話をしますとね…、そうだ、じゃあ、『真保子という女』というお話をしましょう。
過日、我が家は部屋のリフォームで大騒動だったわけで、不要品が大量に出てきたんです。(その処理作業が大変なのが目に見えていたから、「リフォームなんて今でなくてもいいじゃん」と反対し続けていたのだけど)
同時に、この際だから、今まで大事に残していたものでも今の自分の価値観で必要ないと感じたものはドンドン捨てよう…とも思ったわけです。その中には、クルマやカメラの古いカタログ、人からもらった手紙などもあります。
それらの選別作業をしている途中で、真保子という名前の女性からの手紙が出てきました。
携帯電話もない時代のことですからね、異性とのコミュニケーションは手紙が主流でした。面白いもので、昔の女友だちの手紙を読み返していると、“このコとの間では、どちらかといえばボクのほうの片思いだったかな”と記憶していたのが、相手からも便せん何枚もの手紙をもらっていたりして、「あれ、意外と向こうもちゃんとつきあってくれてたんじゃん!」…と、ちょっとビックリするのです。だとすれば、ちょっともったいなかったかな…と。

で、真保子です。
若い頃は文通なんてものもしていたので、手紙だけのつきあいのヒト、会ったことのあるヒト、ほとんどの女性のことは微かにでも未だに覚えているのだけど、この真保子という名前の女性にはまるで覚えがないんです。
どんな人だったかなと、手紙を読み返してみても、それでも思い出せない。
にもかかわらず驚かされるのは、他の女友だちを圧倒するくらいの、手紙の束が出てきたということ。つまり、非常に頻繁にボクと手紙のやり取りをしていたということなのだろう。
それなのに、まるで思い出せない。
いい想い出であれ悪い想い出であれ、少しくらいは記憶に残っていそうなものなのに。
強烈に“存在感のない”人、だったのだろうか…。

とりわけ好きだったヒトからの手紙などは、甘酸っぱい気持ちを引きずって後生大事に持ち続けていたのだけど、今の自分の価値観では、「そういう手紙も捨ててよし」ということになりました。
想い出を大切にするのも素敵なことなのだけど、そういうファンタジーもさることながら、むしろ、ギリギリまで“ぜい肉”を削ぎ落とすような生き方を、標榜したいなと。
初恋の人であれ真保子サンであれ、もし今再会して、これからまた仲良くしていきましょうということになったのなら、それはやぶさかではないのだけど、少なくとも、頭(あるいは、胸)の中に記憶として残っているものであれば、記録までは残しておく必要を感じないのです。
ネット時代に入ってからも、かなり親密におつきあいをした女性がいて、その人との間では膨大なメールのやり取りがあり、そのメールのひとつひとつが愛おしくて、別れたあとからもずいぶん永く残していたのだけど、それもあるときばっさり捨てました。
やはり、大切なのは記録ではなく記憶なのだという想いから。

もしボクがいつか夢二ばりの有名人にでもなったら、遺された膨大な手紙やメールから、『津島修三、その愛の軌跡』(ぷっ)な〜んて伝記本の一冊も世に出されていたかもしれないけど、残念でした、証拠はな〜んも残っていません(^^;
(あ、相手のほうに残ってたりして?!)

いつかこのカラダが朽ちるとき、想い出は大切にあちらの世界に持っていきます。


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  1. 2007/10/30(火) 13:14:34|
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渓谷にて

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「いやだわ。あたし、どんどん深みにはまっていって、自分の帰るところが分からなくなってしまいそうだわ」

「ははは、どんなに遅くなっても、最終電車には君を乗せて、車掌さんに“この人を○○駅で降ろしてください”ってお願いするさ」

「あなたのそういう冷たいところが嫌いだわ。あたしだって、急いで帰りたいわけじゃないのに」

「オレだって、できることならずぅっと君を手許に置いておきたいさ。でも、正直、オレたちは、一緒に生きたほうがいいのかといえば、それはよく分からない。もっと、なんかこう、ほんの少しだけ、距離があったほうがいいような気もするし。君はどうなんだ? オレと一緒に生きたいのか?」

「分からないわ。それを考えるのはとてもこわい気がするの」

「オレたちは、なんだか、風邪の引きはじめのような、熱にうなされて夢を見ているだけなのかもしれないな。たとえば今、オレたちがふと、この淵から身を投げようかと思ったら、二人とも、“それも悪くないな”って、思ってしまうんじゃないかな。悲観するでも、絶望するでも、追いつめられるでもなく、ただ漠然と、“それも悪くないな”って、思ってしまいそうだ」

「そうかもしれない。今が辛いってわけじゃないけど、そうしたほうがなんだか、楽になるような気もするし。どうせこれは夢なんだし…って、何か、どこかリアリティがないのよね」

「どうせならね、永い夢を見ていたいわけよ、オレは。だから、今ここで君の手を引いてこの淵に飛び込むのではなく、最終電車に押し込んで、いつかまた会える日のことを楽しみにするさ」

「あなたは、残酷な人だわ。いっそ、出会わなければよかったわ」
 
 

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  1. 2007/10/28(日) 20:58:15|
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妻に逃げられ、一人寂しく...

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ニョーボの仕事は変則シフトなのだけど、今週は運良く土日が彼女の休みになった。
ボクのほうは自由業なので、よほど仕事が詰まってでもいない限り、休みは彼女に合わせられるし、温泉ドライブ好きな彼女を乗せて郊外にクルマを走らせるのが、二人の休日のパターンになっていた。
が、27日はニョーボのほうから逃げられてしまった。
ニョーボには、特に仲のいい奥サマ仲間が二人いて、この三人でつるんでよく遊んでいるのだ。
27日も、三人でどこかに紅葉狩りに行こうと、前々から計画していたらしい。

てなわけで、休日なのにニョーボがいないという所在なさで(あれ、オレは女房依存症か?!)、うつろな気分の朝であり、紅葉の写真を撮りに出かけようにも一日中曇り空みたいで、仕事に使えるような紅葉写真は撮れそうもない。
なので、特にあてもなく、家にいても退屈なのでという理由で、ぶらぶらと一人ドライブに出た。
途中で送られてきた写メによれば、女房たちは、岩手県雫石町の葛根田渓谷まで行ったようで、そちらの紅葉もなかなかのものだったらしい。「すっごいきれいよ!」と、ニョーボの言葉も興奮気味だ。

逆にこちらは気楽な一人ドライブで(いえ、負け惜しみではなく)、仕事に使える写真を撮れる天気でもないので、好き勝手に走り回り、目で紅葉を愛で、シュミ的に紅葉写真を撮りまくった。
あとでメーターを見たら一日で300km近く走っていた。
 
 

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  1. 2007/10/28(日) 12:11:50|
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今日はここまで

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ボクの女友だちの一人に、なかなかの“酒呑み”がいる。
ボクは秋田の人間だから酒にはかなりだらしないほうで(秋田の人間は酒に強いのではなく、だらしないだけなのだと思う)、酒ではずいぶん失敗も重ねてきた。
そんな、酒にだらしない男と、飲めと言われりゃいくらでも飲める女とでは、勝手に飲ませていたら、もう収拾がつかない。
それで、暗黙のルールというわけでもないけれど、二人で飲む時は最初に総量を決めてしまうようになった。
ワインなら二本までとか、今夜は焼酎ボトル一本までとか。
決まった量を飲んだら、その夜はそれでお開きにするのだ。
一番最近飲んだのは町の飲み屋だったけれども、その夜はボクは瓶ビールを飲みたかったので彼女にもつきあってもらった。
2時間ほどのあいだに飲んだのは、二人で瓶ビール4本ほどではなかっただろうか。
もっと飲みたくないかと言われたら、そりゃあ飲みたくなくはないのだけど、なんとはなしに、「だいたい、こんなところかな」と、そこを潮時にするのだ。
疎遠にならず慣れすぎず、「今夜はここまで」と、いつも同じ距離感でいられる間柄も、悪くないなと思ったりするのだ。
 
 

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  1. 2007/10/26(金) 00:23:09|
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恋に疲れて

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疲れ果ててしまった。
どうしてボクたちは、こんなにも遠くまでトボトボと歩いてきてしまったんだろう。
途中で必ず引き返すつもりでいたはずだ。
それだのに、あと少し、あともう少しだけと先に進んでいるうちに、もう、帰り道すら分からなくなってしまった。
そしてなんだか少し疲れてしまって、これより先に進んでいいものだかも分からなくなってきた。
なによりも、あれだけ心弾んでいたものが、今はゼーゼーと、吐く息も苦しい。
後悔しているかって?
ううん。そんなことはないけど、ただ、ただちょっとだけ、このごろ少しため息増えた。


…てな恋でも、一生に一度くらいはしてみたいもんだわい。
憑かれたように、脇目も振らずに突っ走ってしまい、みずから望んでそうしてきたはずなのに、なぜかあとには言い知れぬ疲労感だけが残るような恋ってものを。

竹久夢二に関する本を何冊か読んだ。
ボクは秋田に関係した話題を掘り下げてエッセイのネタにすることをしているのだけど、恋多き人生を生きた夢二の、その愛欲の日々の中心に秋田生まれの女性がいたからだ。
夢二は、恋多き人生ではあったけれども、だけれども決して、スマートな恋を、あるいは、ハートウォームな恋を、できる男ではなかったようだ。
彼は、今で言えばアイドルタレントのようなもので、いつも若い女性にチヤホヤされていた。そういう意味では彼の恋はやりたい放題。「お前に惚れた。オレについてきてくれ」とささやけば、ついてこない者はいなかった。そうしていつも夢二の恋は始まるのだけれど、そもそも、“惚れた女を手中に収める”…という考え方だから、いつかは熱が冷めることもあるし、愛欲に溺れることはあってもどこまでも慈しむというほどの熱情もない。
なので、最後のほうではいつもぐだぐだになってしまう。女との間でいつも話がこじれ、女は女で、惚れて夢二についてきたはずなのに、「あたしはなんでこんなことになっちまったんだろう」と、ため息がちの日々になってくる。

最後の最後まで、夢を見させてやれよ。どうせ恋をするなら。
せめて、終わりが来る恋であっても、「いい夢を見れて幸せだった」と、思わせてやれよ。
終わらない恋をするのはとても難しい。
ならばせめて、いい夢を見た後の目覚めのような気分で、少しでもきれいに、幕を引けよ。
それだけ惚れ合った仲だったんじゃないか。
 
 

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  1. 2007/10/24(水) 22:40:01|
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雨の日も人生の一部

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当津島ブログを訪れてくれる皆さんの多くは、写真に強い関心をお持ちで、みずからも熱心に写真をお撮りになっているのだろうと思う。
忙しい仕事の合間を縫って撮影旅行の予定を立てたりもしているのでしょう。
ところが、紅葉のベストショットを撮ろうと思っていても今年に限って紅葉の時期がずれていたり、予報では晴れだったのに行ってみたら雨に見舞われたとか、なかなかうまくいかないのが旅行というものだったり写真生活というものだったりする。
写真に命をかけている人(あるいは、経済生活をかけている人)なら、現地まで行ってクルマやテントで寝泊まりしながら完璧な写真を撮れるチャンスを狙うのだろうけど、(ボクを含めて)多くの人は、そこまで徹することもできない。
だから、非の打ちどころのない素晴らしい完璧な紅葉写真に比べたら、凡庸な写真しか撮れないことになる。(稀に、奇跡が重なって実力以上の写真が撮れてしまうこともあるけど)
だけどまあ、雨や曇りの日も人生の一部ではあるのだ。晴れの日だけが人生ではないのだ。
雨や曇りの日の自分を否定したってどうしようもないのだ。
晴れの日は誰だって楽しめる。
むしろ、雨や曇りの日も楽しめる人生を知っているほうが、愉快ではないか。

せっかくの休みの日なのに晴れてくれなかったと嘆くのではなく、たとえその日が雨でも曇りでも、心穏やかに過ごせる人生観でありたいものだと思う。
 
 

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  1. 2007/10/24(水) 00:57:41|
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かくれが

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「いやあ、まいったよ。今日中に原稿一本仕上げなけりゃいけないんだけど、バイオリズムだかなんだか知らないけど、全然気持ちが集中できないんだ。電話は留守電にして、一切出ないようにしてもいいんだけど、電話のベルが鳴るのを想像しただけでもなんだか気持ちが悪くなっちゃってね」
「大変ね、セイシンロードーシャは。よかったらあたしの部屋を使ってもいいわよ。あたしは今日は帰りが遅くなると思うから何もお世話は出来ないけど、うちだったら電話のベルに煩わされることもないでしょ? ちょうど昨日コタツを入れたばかりだから、コタツでリラックスして原稿書きすればいいわ。冷蔵庫に何か入っているはずだから、おなかがすいたら適当に食べててね。あ、そうそう。クローゼットを覗いたりしないでよね」
「そんなこと、するわけないじゃん」
「いやいや、あなただったらやりかねないわ」

…という妄想で始めてみましたが、本心、それに近い心境でいます。
いや、クローゼットを覗いてみたいという意味ではなく。
ちょっと気持ちに集中力を欠いていて、なるべく雑事に煩わされないような、かくれがのような静かな環境で、仕事したいなと。ネットで随時調べものをしながら執筆することが多いので、ネットにつながる環境が必須条件。
売れっ子作家だったら定宿の一つも持って、飛び込みで、「おかみ、すまないが今日一日、奥の部屋を使わせてもらえないか」などと、阿吽でことをすすめてみたいものだけど、それほどの者でもございませんし。
まあ、予防線として編集部に、入稿が少し遅れそうな旨メールしたら、阿吽の編集者ユキコ嬢から、「あたしのほうは水曜日でも構わないわよ」と優しい言葉が返ってきたので、それがせめてもの救いだ。

ああ、ネットが使えて、コタツの入った部屋を好きに使わせてくれる女友だちでもいたらなあ…。
けっしてクローゼットは覗かないから。
 
 

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  1. 2007/10/22(月) 09:45:57|
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寝台列車でエッチ

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面白いことに、時々、“寝台列車でエッチ”というワード検索で津島ブログにやって来る人がいるのだ。
「へー、そういうのに興味がある人が世の中には少なくないんだなあ」…と、思うわけだ。
ちなみに、グーグルで“寝台列車でエッチ”で検索すると、真っ先に津島ブログがヒットする。
ま、なんてエッチなブログなんだ! (^^;

しかし、マジメに考えて、寝台列車の個室でのエッチはありだと、津島は思う。
素敵じゃないか。
二人で一緒に旅をして、ゴトンゴトンと列車に揺られて、ハーフボトルのワインか缶ビールで少しほろ酔い気分になって、広くはない個室の中で、やがて二人はトーストの上で溶けていくマーガリンのように、渾然と一体になっていくのだ。
そういうことを楽しめる人生は、いいなあと思う。
誰かがなしには生きていけないというような、依存の強すぎる関係は少し重いけど、そうではなくて、どこでもフザケッコのできるような心地のいい関係。
どこでもフザケッコができる関係の人と一緒に生きる人生は、きっと素敵に楽しい。
 
 

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  1. 2007/10/21(日) 01:01:29|
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ストレスフリーでいこう!

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あることで、人からものすごい言いがかりをつけられた。
ボク自身は元来、争いごとはあまり好まないし、理屈を通すことよりも穏やかな気分で過ごすことを優先したいので、言われていることが少しくらい理不尽であっても、どうせ一過性の話だなと思ったら、反論もせずに好きなように言わせておいて、自分はつとめて気にしないようにするのだ。
ところが、今回の話はあまりに一方的だった。こちらが全否定されているのだ。
言いたいだけ言わせておけとか、相手の気持ちがおさまるのならとりあえず謝っておけとか、そういうレベルの話ではないのだ。
なので、滅多にないことなのだが、今回だけは言い返した。「冗談じゃない」と。
その人物とは、できればこれからも友好的な関係でいたかったけれども、こういうことであるなら、もう絶縁もやぶさかではない。完璧な人間などいないのだから、お互いに非があるのなら素直にそれを認めて、質すところは質し、詫びるところは詫びればいい。言葉を選べば、人と人のあいだに生まれた溝なんて、けっこうたやすく埋められるものだ。

ひとまず今度のことは、こちらも言うべきことはきっちり言ったので一矢を報いたのではあったが、さすがのボクもこのことで完全に調子を崩してしまった。今日明日かけて原稿を何本か書かなければならないのだけど、全然気持ちが集中できなくなってしまった。(なのでこうやって、仕事を中断してブログ遊びをしている)
まったく、「ざけんじゃねえよ!」と叫びたいくらいなのだ。

この話は、「はい、お宅とはもうこれっきり」と宣言してしまえば済むことなので、そんなにあとには引かないと思うのだけど、これが隣近所づきあいとか職場の中の話だったら、きっとたまったもんじゃないだろうなと思う。ずっと不満がたまっていて、最後の最後に、「ああ、もうやってらんない。こんな会社、辞めてやる!」とケツをまくれればいいけど、生活のこととか考えると、簡単に勤め先を辞めることもできない。
自殺をした会社員が、あとから、自殺の原因が上司の暴言だったということが分かって労災認定を受けたケースもある。認定を受けられただけでもせめてもの救いだったけれども、死んでしまってからではどうしようもないのだ。「もう死ぬしかない」と思い詰めるまでになっていた当人の閉塞感はどれほどのものだったろう。まさしく、“言葉は人を殺せる”のだ。

ボクたちは、言葉を、人を生かすために使おうよ!
みんなが、ハラスメントに屈しない強さを身につけられればいいのだけど、強くなりきれない人に「強くなれ!」と言うのも、それ自体がプレッシャーやハラスメントになりかねない。だいいち、言われているほうが強くならなければならない問題ではなく、人を殺しかねない言葉を吐くほうの暴力性が問題なのであって。

どこか、たとえば自分のブログで愚痴をこぼすというようなことでもいいのだけど、“心のシェルター”みたいなものを一つ持って、ざわざわとした不快な嵐が過ぎ去るまで、シェルターの中に避難して過ごすことかもしれないね。
みんなもさ、死んだり、鬱病になるくらいまでは頑張らないようにね。
一度きりの人生だもの、いろいろ工夫して、最後まで、できるだけほこほことした気分で生きていこうね!
 
 

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  1. 2007/10/19(金) 16:05:34|
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忍ぶ旅

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「とうとう来てしまったのね、あたしたち」
「ああ、でも、あまり大げさに考えないことだ。これは、ボクたちにとって“修学旅行”なんだ。ボクたちはいつかは嫌でも卒業をしていく。離ればなれになっていく。だからこそ、“想い出づくり”が必要なんだ。何年も何十年もたってから、ふと、〈ああ、そういえば、あの人とあの温泉に二人きりで旅をしたんだっけ〉…って、たとえおぼろげでも、必ず思い出せるような、そんな、消えないキスマークのような想い出が、ボクらには必要なんだ。だからこれは、ボクら二人だけの“修学旅行”なんだ。今夜は二人して、枕投げでもして盛り上がろうぜ。ふふふ」
「甘酸っぱい想い出がね、時には“後遺症”のように、何年もしてから忘れた頃にココロを締め付けたりもするのよ。そうなるのが、少し怖いのよ、あたしは。でも、今は、あなたがあたしをここに連れてきてくれたことを感謝するわ。そうよね、これは“人生の修学旅行”なのよね。ヒトには想い出が必要なのよね。いい人生にしたかったら、頑張っていい想い出をいっぱいつくらないといけないのよね。ねえねえ、ここの貸切風呂って、二人っきりでお風呂使えるってことでしょ? お風呂でもいっぱい遊んじゃおね。いっぱい楽しまないとね。飲み過ぎてつぶれちゃったら許さないからね!」

…とかなんとかいうような妄想を引きずりながら、現実には一人で行ってきたんですわ、銀山温泉。取材で。
今回取材で泊まった宿は、なかなかレベルが高くて、取材者としても一温泉ファンとしても大満足だったのだけど、その中でも一つ、特に個人的にポイントをあげたい項目がありました。

一般に、観光色の強い温泉地の宿では、玄関先にその日泊まるお客の名前を記した歓迎看板というものを掲げるところが多いわけです。
たとえば上の写真でも、判読は出来ないけど画面右下に歓迎看板が4枚出ているのが分かります。ここに例えば、[歓迎 秋田 津島様]というように書かれるわけです。
そういう風に名前を書かれると、お客のほうも悪い気はしません。
でも、中には、名前を表に出したくない“お忍び旅”のお客もあるわけで…。
というわけで、今回泊まった宿の案内書には、「お客様のプライバシーも勘案の上、歓迎看板は掲示しませんが、従業員一同、心よりお客様を歓迎いたしております」というような一文があったわけです。
おお、こりゃあまた“粋”だねえ…と、“そういう旅”に憧れる中年男としては、感服するわけですわ。
旅は、“旅をしたい者”が“旅をしたい相手”と旅をするのであって、「あなたは誰ですか?」、「お連れはどなたですか?」と、いちいち詮索するのも野暮ってもんなんですな。
なんか、そういう、“粋”と“野暮”の違いを分かっている宿があることを知っただけでも、今回の温泉取材では大きな収穫でしたわ。
「あー、それにしても、粋な旅ってもんをしたいもんだなあ」…と、ひとりごちる津島でした。
 
 

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  1. 2007/10/17(水) 23:31:36|
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透明人間の恋

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交差点を左折して、微かに色づき始めたイチョウ並木の通りに入った時、左側の歩道に、同じ方向に向かっている自転車の女性を見つけた。
ボクにはそれがすぐにN子だと分かった。
こちらはクルマだからすぐに彼女の自転車を追い越し、そしてルームミラーでちらちらと彼女の姿を確かめながら、次の交差点の信号が赤になって、クルマが止まっているあいだに自転車も追いついて横断歩道の手前で止まっているのだ。
クラクションを鳴らせばこちらの存在を気づかせることも出来るだろうが、助手席にいる女房の手前、そんな無茶も出来ない。それに、彼女と別れてから何年が経つというのだ。もう十年近くになるのではないのか。今さらこちらが懐かしがって声をかけても、N子のほうは困惑するだけではないのか。

やがてボクのクルマは右の小路に折れて、N子はまったく何にも気づくことなくまっすぐに歩道を進んでいく。
もしそれを恋とか恋心とか呼んでいいのであれば、それは“透明人間の恋”だ。
どんなに恋い焦がれていても、彼女にはこちらの姿は見えないのだ。こちらの想いは伝わらないのだ。

十代のガキのように青臭い感情かもしれないけれども、遠くから姿を見られただけでもなんだかほっこりとした気分になれるような、そんな、イチョウ並木の歩道を自転車で駆け抜けるN子の姿だった。
 
 

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  1. 2007/10/17(水) 22:14:13|
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紅葉前夜

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山はまだ思ったほど紅葉は進んでいなかった。
紅葉を愛でたくて山に入ってきたのに、期待ほどの紅葉でなければ、こちらも少し意地になって、もう少し奥へもう少し奥へと、クルマを走らせるのである。

我が家には、ひと月かふた月に一度ほど、母親の幼なじみのおばちゃんが泊まりがけで遊びに来る。
田舎暮らしのこの人は、特別結婚生活がうまくいってないとか大きなストレスを抱えて生きているというわけでもないらしいのだが、単調な日々がときどき鬱陶しく感じてしまうことがあるようで、そんな時に気晴らしに我が家に遊びに来るのである。
今回も先週の金曜日から泊まりにきていた。
こちらとしては、特に気を遣う客ではないし、せいぜい食事を一人分多めに用意すればいいだけだから、来たくなったらいつ来てくれてもいいし、泊まりたかったら何日泊まっていってくれてもいいという対応をしている。
ずうっと仕事や雑用が途切れなかったボクのほうも、土曜の午後までに原稿を一本仕上げて当座のスケジュールは一区切りがついた。
それじゃあ今度の日曜日は、ボクと女房のいつもの週末ドライブを兼ねて、おばちゃんと母親も乗せて山の温泉にでも行ってみようかと思い立った次第。
「みちのくの小京都」と称される角館町は我が家からクルマで1時間ほどの距離にある。この武家屋敷通りをゆっくりと流しながら、「ああ、ここの紅葉はまだ少し先だねえ」と、次に田沢湖畔を目指す。
湖畔にたどり着く直前に「むらっこ物産館」という直売所があって、ここで小休止だ。
女房はさっそく、一個百円の味噌焼きおにぎりと一杯百円のザッパ汁を4人分買っている。この、素朴な田舎の食べ物が、うまいんだ、これがまた! 外国で珍しい料理を食べるのもいいけど、自分たちのごく身近にこんなうまいものがあるのを、幸せと思いたい。しかも安い。一人分たったの二百円。軽い昼食にはこれで十分なのだ。都会から秋田に観光に来れば、きりたんぽだの稲庭うどんだのと、千円以上もする名物料理を食べることになるのだろうが、ほんの二百円で、田舎らしいというか秋田らしいというか、ほんとにうまいものに出会えるのだ。

やはりまだ紅葉らしい紅葉の景色ではない田沢湖畔を半周して、こうなればやはり乳頭温泉郷最奥部の黒湯まで一気に行ったほうが良さそうだ。
乳頭温泉郷の中では鶴の湯温泉が一番人気だが、日帰り入浴が3時で終わってしまう鶴の湯には、家を出て来るのが少し遅かった我々は間に合いそうもなかった。ボクは個人的には黒湯のほうが好きで、客人に対しては鶴の湯と同じくらい黒湯のほうも案内したいと思っている。日帰り入浴も6時までOKなので、慌ただしくない。
田沢湖高原を駆け上がり、休暇村前のY字路を黒湯方向に折れると、そこからやっと紅葉の兆しだ。
山道の行き止まりの、深い沢の底にある一軒宿の黒湯温泉は、さながら“隠れ湯”のようである。

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ここには湯小屋が、混浴のものと男女別のものがある。名物は屋根のかかった東屋風の半露天混浴風呂だ。
おばちゃんたちを男女別のほうに案内したあと、ボクはいつものように混浴のほうに入ろうとする。女房は、どちらに入るかちょっと迷っているようだ。山の湯の雰囲気としては混浴のほうがよく、彼女もそれに惹かれているのだ。
「なに、バスタオルでカラダを隠してもいいし、いざとなったらそのまま入ったっていいんだから、あっちに行こう」と、混浴に誘う。
少しくらいハダカを見られたって、もうそんなに恥じらう歳でもない。見たかったら見ればいいさ、それよりもこちらは、気持ちのいい湯に浸る心地よさを優先しているんだ…って心境。ボク自身も、若い頃だったら、自分の奥さんのハダカが他の男の目にさらされるのはあまり快く思わなかっただろうが、今となればそんなことよりも、夫婦で一緒に同じ風呂に入るという醍醐味のほうが、上回っている。

一足先に混浴を上がった女房は、一旦服を着てから、男女別のほうにも入りにいった。入浴料は500円だが、しっかりとモトをとる女房だ。

この季節の日暮れは早い。車内を4人の肌から立ち上がる硫黄臭でぷんぷんさせながら、少しスピードをあげて帰路を急ぐ。後席のおばちゃんたちも、助手席の女房も、気持ちよさそうに居眠りしている。
充実の日曜日だった。
 
 

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  1. 2007/10/15(月) 12:30:55|
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テラロッシャの大地に散る日本男児の操

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サンパウロ滞在2夜目は会食となった。
ボクと、今回の取材のコーディネートをお願いした現地在住の日本人Oさん夫妻、そして秋田出身で現地で工場を経営しているTさん。
店は、サンパウロ市内の中国人経営の中華レストランで、メニューはしゃぶしゃぶバイキング。それを日本人4人で囲むわけです。なんだか、国際色豊かというか無国籍というか、ぐちゃぐちゃというか…。
この日初対面のTさんは、本来は寡黙な人らしいのだけど、同郷人の訪問ということで上機嫌だったのか、この夜は独壇場と言ってもいいくらいの独り舞台。「あんなにしゃべるTさんは初めて見た」とO夫妻は驚いていたのでした。
その夜はほどほどに終わったのだけど、テンションあがりっぱなしのTさんは、「あしたも飲みましょう!」…と。
正直、ボクはちょっとだけ困惑していたのです。というのは、こちらは観光で来ているわけではなく、日中はかなり体力を消耗しながら仕事をしているわけで、夜はホテルで缶ビールをあおるくらいならともかく、連夜の酒宴は、ちょっとしんどい。でも、せっかくの申し出を断わるのも申し訳ない…。

はたして翌日夜、ボクがホテルに戻るのを見計らうようにTさんから電話。今から迎えに行きますから…と。
ホテルに横付けされたTさんのクルマに乗り込むと、「今日は女の子のいる店にいきましょうか」…ときた。
あー、やはりそうきたか。
確かにブラジルの女性は魅力的で、ブラジル美人とのあんなことやそんなことを楽しみにして渡伯する日本人も少なくないのだろうけど、あいにくボクは、お金を使ってまでそういうお楽しみをするってシュミはなくて、ちょっとこういう展開は困るのだ。
「いやあ、正直、あまりそういう趣味はないし、金の持ち合わせもなくて…」と、消極的な態度を匂わせるのだけど、独身で会社経営で金回りが悪くはないTさんは意に介さない。
「ま、ちょっと覗くだけでもいいから」と、バリバリその気なのだ。

着いたところが、これがまたすごいクラブなんだ。入口に黒服の屈強なガードマンが立ちはだかっていて、金属探知機で全身をチェックされて、IDカードの提示も求められる。ボクは常連客らしいTさんの同伴者ということでノーチェックで入れたけど。
店内にはもう、ヒモパン、Tバックの肌もあらわなおねえちゃんがうじゃうじゃ。店の真ん中に天井まで伸びたポールの立つステージがあって、そこでおねえちゃんたちはくねくねダンス。
男たちは、ここで品定めをして、気に入ったおねえちゃんがいたら声をかけて、一緒に酒を飲んだり、よきタイミングで別室に消えていくわけだな。嗚呼、津島の操も、もはや風前のともしびです。
とりあえず缶ビールをオーダーして二人でぐびぐびやる。Tさんは、「どうだ、みんないいカラダしてるだろ?」と、ボクに耳打ちする。あ、はい、確かに、みんないいカラダしてますけど…。
システムはよく分からなかったけど、とにかく、おねえちゃんたちとちょっとでも目が合ってしまったら、あれよあれよという展開になってしまうんじゃないかと、こちらに向かって飛んでくる視線をはねのけはねのけ、日本男児、断じてブラジル女とは目線を合わせないぞと、必死になって、マドンナのステージ映像が流れているスクリーンを食い入るように見入っていたのであった。

そのうち、Tさんの横に一人の女の子が座った。向こうから攻めてきたわけだ。
やべ。向こうから攻めてくるのもありなのか。
ボクは、わざとソファのはじっこに座って、隣に座るスペースをつくらないようにしたのだ。おお、日本男児の機知!
もしボクのスイッチがはいっちゃって、「う〜ん、ちょっとだけ遊んじゃおかな」とでも言ったら、たぶんTさんはすかさず、「だろだろ? ここまで来て遊ばなかったらもったいないよ」と、すぐにそういう展開になっただろうと思う。
しかし、結局ボクは最後までつまらなそうにしていただけなので、Tさんも諦めたか、「じゃ、出ようか」と席を立った。Tさんの横に座っていた彼女も、脈がないと諦めたのか、二言三言交わしたあとすぅっと席を離れていた。

結局そのあとビヤホールに案内されて、夜中の3時まで飲んでいた。ほんと、早くホテルに帰って寝たかったのだけど。
翌朝は8時にホテルのロビーでOさんと落ち合ってその日の仕事に取りかかるのだけど、8時過ぎにOさんから電話が入るまで、ボクはベッドの中で死んだように眠っていた。
疲労と二日酔いと寝不足とでへろへろになりながら、どうにかこうにか四日目の日程を消化し、途中でOさんと別れて地下鉄でホテルまで戻ろうとしていた時のこと。
車内のポールにもたれかかってぐったりしているところに、「シューゾさん?」と呼びかけられた。
ん? まさかね、気のせいでしょ。
「あなた、シューゾさんですね」
うわぁ、昨夜のクラブでTさんの隣に座っていた女の子だ!
どういうこと? なんでオレのこと知ってる?
こちらの疑問を見透かすように彼女は続ける。
「キノウ、Tさんから聞きました。あなた、ニホンから来たジャーナリストだって」
「きみ、日本語しゃべれるの?」
「ワタシ、大学で日本語勉強してます。あれは、ワタシの“アルバイト”です」
彼女はちょっとはにかんで見せた。
「そうなのか。昨日は悪かったね、冷たくして。ボクは正直、ああいうのはあまり好きじゃないもんだから」
「ワカリマス。アナタはああいう店に来るようなヒトではないと思ってました」
「女の人とトモダチになるのはOKなんだけどね。ははは」
「ああ、それなら。晩ご飯まだですか? よかったらワタシと…」

そんなこんなで、ブラジル滞在4夜目も、ただでは済みそうもない波瀾万丈の展開になっていくのであったのであった。

※津島ブログご常連の皆様には説明不要だと思いますが、“車内のポールにもたれかかって”以降は津島の妄想です。
 
 

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  1. 2007/10/10(水) 13:13:44|
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左でなきゃダメなんだっ!!

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連休前に我が家のリフォーム工事が始まってしまったため、寝室が使えなくなり、金曜の夜から客間に客用の布団を敷いて夫婦で寝ている。
ベッドという制約がなくなったのだから、布団を二組敷いてゆったり寝てもよさそうなものだけど、一緒の夜はくっついて寝るのが習慣になってしまった夫婦のこととて、結局なんの疑いもためらいもなく、ひと組だけの布団に二人でもぐって寝ているのだった。
ところが、最初の夜はちょっとした誤算があった。
違う部屋で違う布団で寝ることになったどさくさから、ボクが右側に寝てしまったのだけど、これがたいそう寝心地が悪い。心理的なものかもしれないが、窮屈で窮屈でたまらないのだ。
それで、二晩目からは、「お願いだからやはりオレを左側に寝させてくれ」と女房に頼み込んだことだった。

このブログでも何度か書いているけれども、男には、女性といるときに落ち着く相対位置というものがある。
一般的には、ベンチに並んで座るにもベッドに一緒に横になるにも、右側のほうが男はしっくりするのだ。
これには根拠があって、一般的、つまり多くの右利きの男にとっては、利き腕の右腕が開放されていたほうがいい。もし自分の右側にぴったり女性にくっつかれたら、利き腕が殺されることになり、とても窮屈な感じがするのだ。
この理論は女性にも当てはまるかというと、どうもそうではないらしい。
受け身であることに慣れてきた女性の歴史がそうさせるのか、女性のほうが柔軟的で、「あたしゃ別にどっちだっていいわよ」っていうケースが多いようだ。

津島は生まれつきは左利きで、途中から、ペンや箸やハサミなどは右に矯正された。ただ、丸いものを扱う時は未だに左手を使うほうがしっくりくる。
なので、ボール競技は今でも左手の出番なのだ。野球でもバレーボールでもバスケットボールでもボウリングでもおっぱいでも。
 
 

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  1. 2007/10/08(月) 09:34:40|
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何があったのだ、オレたちに?!

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おふくろが、物置に使っている部屋の壁をぶち抜いて隣の部屋とつなげて広くすると言い出した。
それは、今この時期の我が家にとってさほど必要なこととも思われず、また、わざわざそんなことに金を使うこともないと家族は賛成しなかったのだけれども、なにしろ、一度言い出したら人の意見には耳を貸さない人なので…。
物置の中に積んであるものはほとんどボクの所有物(かつ、ほとんどガラクタ)で、結局、この連休の三日間は、物置から運び出されたガラクタの整理にあてることになってしまったのだ。あんまり楽しくない3連休だ。
所有物といってもほとんどは死蔵品で、大半はこの際に廃棄することになる。昔もらった友人やペンフレンドからの手紙も、全部捨てる。中学の同級生で初恋の相手だったJちゃんからも、思っていたよりも多く手紙をもらっていたことに今回気づかされたのだが、それも捨てることにした。もったいない気もするけれども、作業の手を休めてたまたま読んでみた手紙に、ボクがあくまでも恋愛感覚のつきあいを望んでいたのに対して彼女のほうは“男女の友だち”として接していこうとする思いが読み取れて、この“温度差”は、今になってみても切ない。いや、今であれば、そういうさらりとした男女の友だちづきあいもむしろボクには心地いいのだけれども、恋をする気のない女の子にぞっこん惚れてしまっていた十代の頃の自分が、あまりに哀れだった。だから、そのことは葬ることにした。

それよりもだ。
別にちょっと気になるハガキが出てきた。N子からだ。
全文をここに書き写してみよう。

--------

返事が遅れてしまいました。
東京に戻ってくると部屋に帰らない日が何日も続きますので、大分遅れてしまいました。
4日には「いなほ1号」で約束通り帰ってきました。
6:30までは「みどりの窓口」、6:40までは食堂車のところ、発車前5分になって、どこか別の車両ではと捜しました。目印の白いバッグを、いつ来ても分かるように食堂車のところに置いて。
いくらひどい事をしてきたからといって、人に頼んでまで嘘はつかないつもりです。
○○はあの日、寝過ごして「いなほ」の出発に間に合わなかったのです。
一人ならまだしも、○○まで私の嘘につきあわせてしまうような事をすると思いますか。
あの日の「いなほ」、秋田ではガラガラだったから、どっかに座っているのではないかと捜しました。
でも、最後まで言われた所にいなかった私の非は認めます。
けれど、昔の私と違って、人をだまして何かするとか、そんな人間っぽさが消えています。

1月12日 東京 N子

--------

さて困った。
ボクとN子の間で、このとき何があったのだろうか。
このハガキに書かれていることには、ボクはまったく記憶がない。
想像するに、東京でそれぞれ学生生活を送っていたボクとN子は、秋田での正月休みを終えて、一緒に同じ電車で東京に帰ろうと約束していたのだろう。
ところが、当日二人は秋田駅でうまく落ち合えなかった。(ボクは不貞腐れて約束の電車には乗らなかったのかもしれない)
何が行き違ったのかは知らないが、きっとボクはN子に、「なんで約束の時間に来なかったのだ」とか「お前に騙された」とか、かなりねちねちしたことを書いてやったのだろう。それへのN子からの返信なのだ。

今だったら、自分なりにいろいろ斟酌して、約束通りに事が進まなくてもあまり腹を立てないし、相手を責めることもないのだけれども、若い時分はなかなかそういう辛抱ができない。
まして男と女の間では期待が大きい分だけ、思い通りにいかなかったときの“裏切られた感”は、なかなか鎮められない。
ああ、ボクはN子を傷つけるようなことをしていたのだなあ。
元気でいれば彼女ももういいオバサンだ。
なんだか、一度逢って、若き日の非礼の詫びを言いたくなったことだった。


- 写真は宮城県山元町磯浜漁港沖の座礁船 9月18日撮影 -
 
 

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  1. 2007/10/06(土) 22:34:56|
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even

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おヒマのある方は、外務省の〈海外安全ホームページ〉でブラジルについての情報をご覧になっていただきたい。
今のブラジルの治安が相当深刻な状況にあることがお分かりいただけると思う。
これからブラジルに行こうというときにこの情報に触れたら、かなりビビってしまう。
津島も渡航前にこの情報をチェックしていたけど、家族にありのままを話したら余計な心配をするだろうからと、あえて何も知らせずに出発したのだった。いずれにしろ、何があってもおかしくはない旅だったので、今度ばかりはしっかりと保険をかけての渡航となった。

昨日、ブラジル取材のクライアントの社長から電話があって、もう少し絵(映像)が欲しかったなどと、ちくちくとした言い方をされた。
現地の治安が非常に悪く、たとえ日中であってもカメラをむき出しにして持ち歩くのは強盗に持っていってくれと言っているようなもので、つまり、撮りたくても撮れないという状況もあったのだと、いくら口頭で説明してもなかなか分かってくれない。「いくら治安が悪いといったって、昼間っから強盗が出没するわけでもないだろう」…と。
なんだか、まるで自分がサボタージュでもしてたかのように思われているのも癪だったが、ちょうどそのあと同社にファックスを入れる用事があったので、ファックスの文末に、「海外安全ホームページをご覧になってください」と書き添えてやった。
そうしたら今朝になって、また社長から、今度は少し慌てたような声のトーンで、「こんなに現地の治安は悪かったのか?! 行く前に確認しなかったのか?」と言ってきた。
「確認しましたよ。それを承知の上で出発したんです」
「私だったら行かないな」
おいおい(^^;

日本の感覚であれば、かっぱらいにカメラやバッグを持っていかれそうになったら、絶対に持っていかれないように死守すればいいわけだが、向こうでそれをすれば、腹立ちまぎれに命を持っていかれる。なので、一度目をつけられてしまったら、一切抵抗をせず、好きなようにさせるしかないというのだ。
現地の日本人のアドバイスに従って、ズボンのポケットにわざと小額紙幣を入れておいて(それをボクらは“ダミー”と呼んだ)、強盗に持ち物を持っていかれそうになったら、「この金を持っていってくれ」と、“金で決着”をつける覚悟で取材に臨んでいたのだ。
帰ってきてからも、現地でお世話になったOさんからは、「これほど何ごともなく無事に取材を終えられたのは奇跡に近いこと」…と感嘆されたのだ。
ま、津島としては、とりあえずクライアントにさえ分かってもらえたらそれで十分なのだ。現地のあの治安状況下では、むしろ最善以上の仕事をしてきたつもりなのだぞと。

昨日はクライアントに言われっぱなしになって少しクサクサしていたけれども、今日はどうにか一矢を報いたってところかな。
そんなにヤバいブラジルではあるのだけれども、それでもいつかまた行ってみたいと思ってしまうのは、いわゆる“恐いもの見たさ”…ってやつなのだろうか。
 
 

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  1. 2007/10/06(土) 00:39:34|
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Etranger

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ブラジルからの帰途、乗り継ぎのためニューヨーク・ニューアークリバティ空港に降り立つ直前のこと、機内でアメリカ入国に必要な書類が配られる。降機の前に必要事項を書き込み、それで入国審査を受けるわけだが、今までの自分のわずかな渡航経験でも、自国への帰国時以外は書類は二枚必要なはずだったが、その時は一枚しか配られなかった。
自分の記憶も曖昧なので(あるいは、提出書類は一枚だけでよくなったのかもしれず)、CAに「本当にこれ一枚だけでいいのか?」と聞き返すタイミングも失う。
はたしてリバティ空港に降り立ち、入国審査の列に並んだ時、いよいよ不安になり、近くにいた案内係に尋ねた。
「オレはこのドキュメントしか持ってないが、他は要らないのか?」
「いやいや、いるよいるよ。こっちに用意してあるから、記入して列に並び直してくれ」などと言っている。
そのとき、「ですよねえ」という、日本語の女性の声がした。
ボクの前に並んでいた年配の赤いカーディガンの女性だった。同じ飛行機に乗ってきた人で、東洋人であることは分かっていたけど、朝鮮人か中国人だったかもしれないし、日本人に見えても二世などだったらあまり言葉も通じないかもしれず、機内では特に意識していなかった。
彼女もずっと不安を抱いていたらしい。
「どうもおかしいと思ったんですよ」
「そうですよねえ、ボクも確か二枚だったと思ってたから」
お互い、日本語でモノゴトを確かめ合える相手に巡り会えて、一気に気も緩んだのだった。
入国カードを書き終えてまた二人で列に並び直す。
問わず語りに彼女が言う。
「ずっとブラジルに住んでいましたが、今は帰国して横浜にいます。IDをつくり直す必要があって、それで一時的にブラジルに戻ってきたんです。ブラジルの友人たちは、“あなたの帰りを楽しみにしているわ”と言ってくれたけど、楽しみなのは“あたし”なのか、あたしが持っていく“スーツケース”なのか…(微苦笑)」

無事に二人の入国審査は済み、バゲージクレーム、税関を過ぎると、すぐに成田行きに乗り継ぐ彼女と、ニューヨークで一日遊んでいくボクとでは進路が違ってくる。
最後に「どうぞお元気で」と声をかけたかったけれども、見回しても赤いカーディガンはもうそこにはなかった。
 
 

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  1. 2007/10/05(金) 00:52:11|
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娘の部屋を急襲する入管

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土曜日に成田に帰ってきたのだけど、週明けに都内のクライアントに取材の報告をしなければならないので、二晩ほどどこかで時間をつぶさなければならなかった。
空港の民間駐車場に預けていたクルマにはお泊まりセットを積んでいるので、いざとなったらどこでも寝られるのだけど、ダメ元で、新宿区内のアパートに住んでいる娘に泊めてもらえるかメールしてみた。すぐに「いいよお〜」というメールが返ってきた。
というわけで、土日二晩、娘のアパートに厄介になってきた。今になって娘と一つ部屋で寝起きするというのもちょっと面映いものがあったけれど、全然気にせず自然に振る舞ってくれた娘が嬉しかった。
それで、二人して駅前商店街の居酒屋に出かけていって、恋愛論結婚論なんかを肴にしながら晩飯を食ったり、小銭を渡して食材を買ってきてもらってメシを作らせたり、雨の日曜日には日がな一日、敷かれたままの布団の上で原稿書きをして過ごしたりしたのであった。

そんな娘から聞いた話。
ある朝、出勤のための準備もほぼ終えた7時過ぎ、アパートの部屋のドアをドンドンとかなり激しく叩く音に驚く。
何ごとかとドアを開けると、屈強な男がドアの前に立ちはだかっている。
それも一人だけではない。数人の男が、逃げ出す隙もつくらないようにドアの回りを埋めている。
そして、男は言う。
「あなた、ビザ切れてますよね」

実は、娘はボクとフィリピン女性とのあいだにできた子どもで、もちろんボクはちゃんと認知していたし、ちゃんと我が子として大事に育ててきた。ただし、国籍はフィリピンのままだった。
そのビザのままで東京で一人暮らしをして働いていたのだけど、そのビザが失効しているというのだ。
 
 
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  1. 2007/10/03(水) 02:23:08|
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