
まだ自分にとって“結婚”が、頭の中で空想するだけの、単純な“憧れ”の世界でしかなかった頃、「もし自分がいつか結婚をすることがあったら、サラリーマンを辞めて八百屋でも始めて、嫁とは四六時中一緒にいられるようにしたいものだ。そうでなければ、せっかく結婚する意味がない」…などと、なかば本気で考えていたこともあるのだ。
今から考えれば滑稽の極みだけれども、多かれ少なかれ、結婚前の人たちは、結婚に対してそれに近い幻想やら妄想やらを抱くものなのではないだろうか。ある意味、恋愛や結婚は、“ほしいものを手に入れたい”という衝動であり、みごと手に入れられたものならば、それを常に自分のそばに置いて、“自分だけのもの”として悦に入りたいのである。
ただ、残念ながら人は飽きっぽい。
プロポーズや結婚式では「一生大切にしたい」と誓うけれども、それはとりあえずの手形であって、その手形が流れない保証はどこにもないのだ。
いつの間にかパートナーは、自分にとっては必ずしも必要不可欠な最も大切な存在、とは言えなくなってしまうのだ。むしろ、鬱陶しくなったり重くなったりもする。
津島自身の結婚生活にも、そういう“呪縛の時代”があった。何も楽しくなく、ひどくしらけた気分で過ごしていた日々。
でも、なんて言うのか、そういう時期が過ぎると、また別の、ちょっと楽しい結婚生活のありかたが見えてきたりもするのだ。
たとえば、旅行というものを、結婚している以上、常に夫婦二人でしなければいけない…という思い込みを捨てて、夫婦一緒に旅をしたり亭主一人で旅に出たり女房一人で旅に出たりと、いろんな楽しみ方があっていいじゃないかと考えられるようになったら、閉塞感に陥りかけていた自分の結婚生活も、まんざらでもないものになってくる。
何年か前、ネットを通して親しくなった首都圏在住の女性が、一人で秋田に遊びにきたことがある。彼女は結婚生活二十年ほどの奥さんだったけれど、その二十年ほどの間、夫婦や親子で旅行をすることはあっても、自分が単身で旅行をするなどということは、イメージすらしたことがなかったのだと言う。だからそれは彼女にとっては一世一代の大冒険でもあったのだけど、でも、一度そういうことを体験すれば、「あ、こういうのもありなんだな」と、今まで知らず知らずに固定観念にとらわれていたことに気づかされるのだ。もし旦那さんも都合がつけば一緒に旅をしたかもしれないけど、なかなか忙しい人のようで、それならばと思い切って一人で旅に出て、閉塞感をリセットできて気分もリフレッシュできたら、それはきっとその後の結婚生活にもいい効果をもたらすことだろう。
迎え撃つ津島は、これでも一応ジェントルマンのつもりなので(プッ.. こらこら、笑うな)、楽しい旅の思い出づくりのお手伝いこそすれ、あとあとややこしい話にならないように腐心はするのである。
今日の秋田は見事な快晴なのだけど、菜の花畑を見に行きたいと言っていたボクの奥さんは、「クルマ借りていい?」と言って、ボクのクルマで一人でさっさと出かけていった。
このごろは奥さんも心得たもので、何が何でもボクを誘うのか、それとも一人で出かけたほうがいいのか、阿吽の呼吸で判断してくれる。正直、ボクも今日は仕事や雑用で済ませておきたいことがあったので、彼女が一人で出かけてくれたほうが助かるのだ。
麒麟の田村クンが極限の貧乏生活の中で会得した、御飯をながくながく噛み続けているうちに到達できる〈味の向こう側〉のように、恋愛や結婚も、一度は閉塞状態に陥っても、案外その先には、〈向こう側〉の世界があるのかもしれない。
テーマ:写真にコトバをのせて - ジャンル:写真
- 2007/04/28(土) 13:18:43|
- OLYMPUS E-300
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2

津島がメールをやり取りしている女友だちたちとは、どこまで本気なのかどこからシャレなのか、ずいぶんとあけすけだったりおおらかだったりする話題が飛び交う。
文末に chu-☆ なんて書いてあったりするのも珍しくない。
ま、縁起物なので、こちらも kiss! などと、返してやるのである。
松山に住んでいる女性とメールのやり取りをしていたころ、「こんな宿を見つけたのよ。お忍び旅にぴったりでしょ。あなたがこっちにくることがあったら一緒に泊まりましょうね♪」などと、宿のURLを添付して書いてよこすのだ。
「お、なかなかよさそうだねえ。うんうん、ぜひ一緒に泊まりましょう」と書いてやるのだけど、その女性とのあいだでは、少しずつメールの間隔が空いていき、やがて、フェードアウトになってしまう。
もしそんなやり取りからあいだを置かずにボクが松山を訪れる機会があったら、ほんとうにその宿に一緒に泊まれていただろうか。
今となっては確かめようもないけれども、たぶん、“シャレが分かっている者同士”ということで、そういう、本気とも冗談ともつかぬ話ができていたのだと思う。
最近のある女性からのメールに、“マグマ”というフレーズがあった。
ストレートな言い方になってしまって恐縮だが、オンナとしてのカラダの中にブレーキが利かなくなるほどのスイッチが入ってしまった状態を、“カラダの中のマグマのようなものが…”と、彼女は表現したのだ。
女ではない津島は、“そのとき”に女のカラダの中でどんな変化が起こっているのか、不確かな想像でしか推し量ることができないが、なんとなく、ほんのなんとなくだけど、分かるような気はする。
ヒトは皆、きっとカラダの中にマグマを擁しているのだ。(そのマグマの活動の強弱はともかく)
そして、しばしばヒトは、おのれのカラダの中のマグマに翻弄される。苦しむ。
爆発しそうになってしまったマグマのエネルギーは、ときどきちゃんと解放してやらなければならない。
上手におのれのマグマとつきあい、うまくマグマを解放しながら生きているものは、幸福で平和な、いい顔をしていると思う。女であれ男であれ。
テーマ:写真にコトバをのせて - ジャンル:写真
- 2007/04/24(火) 12:04:40|
- OLYMPUS E-300
-
| トラックバック:0
-
| コメント:3

「ついていっていい?」
「ああ、構わないよ。ついておいで」
ついてきてはいけない人を連れて行くのには少し思い切りが必要だけれど、ま、ニョーボなので、仕事の現場に同伴させてもさほど問題はなかろうて。
クルマで2時間ほどのところにある「道の駅」でイベントがあって、その模様を撮影するのが今日のボクの仕事だ。ボクが仕事をしているあいだはニョーボはそのイベントで適当に時間をつぶしていればいいわけだ。
いいよ、一緒に行こうと言ったら、ニョーボは、また当たり前のようにタオルなんかをバッグに詰め込んでいるのだ。
「出かける」…は、ニョーボにとっては「温泉に入る」…と同義語らしい。
現地に着いてボクが2時間ほど仕事をしているあいだ、彼女はイベント会場を徘徊して買い食いしたり産直の野菜を買ったりしてそれなりに楽しんでいたようだ。こういうとき、手のかからないニョーボで助かる。
道の駅の近くにも温泉はあるのだけど、少し先に行ったところに砂風呂があるので、ニョーボを楽しませてやろうと今回は砂風呂に行ってみる。
低温ヤケドをしそうなほどの高温の砂と、カラダの上に盛られた水気を含んだ砂のずしりとした重みが新鮮な体験。一人15分千円は安くはないけど、まあまあ面白かった。
全部の用事を終えて、帰りかけて、しばらくクルマを走らせてから、ボクは我慢できず、「ごめん、ちょっと撮りたい写真があるんだ。少し戻っていいか?」。
「いいわよ。お好きなだけ」。
そうやって、かなり行き過ぎてからUターンして撮ったのが今日の写真。
パートナーと気持ちがしっくり合うというのは、なかなか心地よいものだ。
テーマ:写真にコトバをのせて - ジャンル:写真
- 2007/04/22(日) 00:44:48|
- OLYMPUS E-300
-
| トラックバック:0
-
| コメント:4

とても気に入って買ったはずなのに、ほどなく着なくなってしまう服もあれば、ぼろぼろになってもういつ捨てても惜しくないようになっているのに、それでもなぜか手放せない服もあったりする。
男と女の中も、それに近い感覚で推移することが多いのではないだろうか。
なぜ好きなのか、なぜ嫌いなのか、言葉ではっきりと説明できないことがある。たとえば、相手から好意を持ってもらえれば悪い気はしないし、容貌もまあまあ十人並みというところなら、そこから楽しいつきあいが始まっても不思議ではないのだけれども、どうしても一歩を踏み出すことを躊躇ってしまったりする。その躊躇いがどこから来るのか、自分でもうまく説明できないのだ。まして、「あたしのどこがいけないの? どこを直せばいいの?」と詰め寄られても、なんだか、“直してくれりゃあいいってことでもないんだよなあ”…と、もどかしく歯がゆく、かえって困惑してしまうのだ。
それがつまり『恋愛の“風合い”』というものなのではないかと、今になって思うのだ。
あんなやつのどこがいいのだ?!…と周りから不思議がられても、自分にはその“風合い”がしっくりきているということなのだろうし、あんないいやつなのにどうしてうまくやっていけないのだ?!…と言われても、結局はどうしても自分には“風合い”がしっくりこないということなのだろう。
逆の立場でも同じことが起こるわけで、ボクがどんなに誰かを愛し、直すべきところがあったら直し、命をかけて愛し尽くすと誓っても、相手がボクとのあいだの“風合い”にしっくりこなかったら、ボクの想いが遂げられることはないだろう。
だから、通じる想いはそのまま大切にすればいいし、通じない想いはあっさりとあきらめることだ。
恋は、“風合い”でするものだ。
テーマ:写真にコトバをのせて - ジャンル:写真
- 2007/04/20(金) 12:29:28|
- OLYMPUS E-300
-
| トラックバック:0
-
| コメント:4

期間としてはわずか半年ほどのことだったけれども、ボクは毎週決まった曜日に帰宅が遅くなった時期があった。「仕事で遅くなった」とか「ちょっと飲んできた」とか、そのつど言い訳をしていたけど、毎週毎週コンスタントに決まった曜日に帰宅が遅くなるのだから、さすがの女房もうすうす、ボクの身辺に起こっていることに勘づいていたかもしれない。勘づいた上で、とりあえずは静観していようという構えだったのかもしれない。
ボクはボクで、つとめて、“これはおおごとでもないし、深刻なことでもないんだ”…と、自分に言い聞かせるようにしていたのだった。たまたまこうなっただけのことなのだし、道に迷ったわけでも、違う道に踏み込んでしまったわけでもない。ちょっと寄り道はしているかもしれないけど。
幸か不幸か、その期間は半年ほどで終わり、何ごともなかったような平穏な日々が戻った。
相変わらずボクと女房は、週末ごとにあちこちの温泉をたずね歩き、家では一緒に風呂に入り、ベッドでは寝相の悪い子どものように彼女の足がボクのカラダの上に乗っかって夜を過ごしている。
さあ、もうすぐゴールデンウィークだ。
このところボクは一人旅が多かったので、その罪滅ぼしも兼ねて、女房に、「どこに行きたい? キミの行きたいところへどこにでも連れいていくよ」と、言ってある。
我が家では子どもたちが小さかった頃から、“ミステリーツアー”と称して、GWに行き先もはっきり決めず、あるいは、同乗者には行き先を教えずにクルマで出発するドライブを楽しんできた。
“行き先も決めずに”と言えばワイルドでかっこいいけど、ボクも女房も0型なので、ギリギリまで決めきれず、「とりあえず走りながら行き先を考えようか」という、実にいい加減なドライブだ。
去年だってそうだ。女房が佐渡に行きたいというので、とりあえず新潟まで行ったのだけど、タッチの差でフェリーが出たあとだった。「どうする?」「そうだなあ、じゃあ、軽井沢にでも行くか」。
佐渡に行くつもりが、軽井沢へのドライブになったのだ。
去年は息子も一緒だったけど、彼も結婚したので、今年は女房と二人きりだ。
さて、今年女房はどこに行きたいと言い出すか、あるいは、やっぱり決められなくて、とりあえず出発してからああでもないこうでもないと、想定外のところにたどり着くことになるか。
人生は、ワクワクする楽しいミステリーツアーだ。
テーマ:写真にコトバをのせて - ジャンル:写真
- 2007/04/14(土) 12:31:15|
- OLYMPUS E-300
-
| トラックバック:0
-
| コメント:5

すまない。出張が暫時延期になってしまってね、またキミとの酒はしばらくお預けだ。残念だよ、ボクも楽しみにしていたのに。
あら、そう。そういう事情ならしかたないわね。いいわよ。予定がなくなったわけじゃないんでしょ? 延期なんでしょ? それだったらいつまでも待ってるわ。
なんだったら、別の口実をつくってそっちに行ってもいいんだけどね。
いいわよ。わざわざそんな無理をしなくても。金輪際会えないっていうのならそりゃあ寂しいけど、いつかは必ず会えるんでしょ。待っていれば必ず会えるというのは、その待っている時間も楽しみなものよ。
ていうかさ、ボクの中にも少しはキミに会いたい気持ちがあってね、それが先送りになってしまったことで、ボクはちょっとしょげているんだ。
あらあら、嬉しいことを言ってくれるわね。どうせ、他の人にも言ってる言葉なんでしょうけどね。ふふふ。
すまないけど、少しだけ待っていてほしい。あ、いや、待っていなくていい。キミはキミで、ボクを待たずに、楽しいことをして過ごしていてください。そして、改めてボクがそっちに行けるようになったときに、まだボクと一緒に酒を飲んでくれる気持ちがあったら、そのときはボクにつきあってください。
はいはい。首を長くして待ってるわよん。
テーマ:写真にコトバをのせて - ジャンル:写真
- 2007/04/11(水) 00:42:05|
- OLYMPUS E-300
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2

小学6年生の学活の時間、保健係の女の子がみんなの前で「正しい手の洗い方」を紹介していた。
その時は担任は不在で、代わりにクラスを持たない先生が教室に来ていた。
学校で行事があると必ず司会の役をする、出世コースからはずれた、どこかやさぐれた感じのする男の先生であった。
彼女の話が終わると、先生は言った。
「あんたのしゃべり方、ちょっと変わってるね。生まれはどこなの?」
彼女はたちまち顔を真っ赤にし、うわあんと声を上げて泣き出してしまった。
その時初めて分かったことなのだが、彼女はどうやらロシア人のハーフらしかったのだ。
今でこそハーフなんて珍しくもないし、ハーフどころか、小学校や中学校のクラスの中に外国人の子どもが在籍するケースも珍しくないけれども、そんなことは想像もできなかった田舎の昔の小学校のこと、彼女は、自分の身の上のことは絶対人には知られたくなかったのだろう。
それが、無神経なやさぐれ教師のために、一番知られたくなかったことをクラスのみんなに知られてしまったのだ。
今思い返してみても、彼女は純朴な田舎の普通の、やや可愛い女のコであったけれども、外国人とのハーフを思わせるような面影はなかった。周りが黙っていれば、彼女がハーフということは知られないままで終わっていただろう。
彼女が泣き出したあと、ボクはカーッと頭に血が上った。同級生の女子を泣かせやがったあのやさぐれ教師野郎!
なんだか、放っておけなかった。休み時間、ボクは教員室にその先生を追いかけ、「さっきは何であんなことを聞いたんですかっ?!」…と、詰め寄った。
ところが、ボクもやたらと気が小さい。
詰め寄りながらも、ボク自身、すでにたっぷりと目に涙を溜め、今にも声を上げて泣き出しそうな塩梅なのだ。
半泣きの6年生男子がいきなり訳の分からないことを言ってきて、逆に先生はきょとんとして、「えっ? えっ?」というような顔をしている。「あ、いや、しゃべり方が変わってたから…」というような、まあ、確かにそれだけのことなのだが、ボクはもう本泣きになりかけていて、先生の言葉も終わらないうちに教員室を走って飛び出したのだった。
ボクは、教室に戻って自分の机につっぷして泣いていた。
彼女が泣いている理由は分かるが、なんでボクまで泣いているのか、クラスの連中は訳が分からずポケーッと眺めていたことだろう。
あのころは、今に比べておおらかな一面もあったけれども、無神経な言動で人を傷つけることも珍しくない時代だった。
デリカシーというものが、つくづく大切だと思う。
母方の祖父がフランス人のボクとしても、あらためてそう思う。
※す、すみません。最後の一行は妄想でした…。
- 本日の写真はロシア正教函館ハリストス正教会 -
テーマ:写真にコトバをのせて - ジャンル:写真
- 2007/04/09(月) 17:57:10|
- OLYMPUS E-300
-
| トラックバック:0
-
| コメント:3

「やあやあ、遅れて済まなかったねえ。ロープウエーが遅れてさあ」
「何言ってんの。たった3分で結んでいるロープウエーじゃない」
「しかしまあ、函館山で会いましょう…なんて、なかなか面白いアイデアだねえ。まるで、サスペンスドラマのシチュエーションみたいだ(笑)」
「どうせ、お互い長い時間は取れないのだし、だったら、一番見たい場所に直行するのが一番だと思ったからね」
「でもさあ、オレの約束なんてアテにならないし、第一、列車が遅れたりしてしまったらどう頑張ったって約束の時間には来れなかったかもしれないんだぜ」
「いいの、その時はその時で。その時は、現われなかったあなたを呪いながら、あたしは一人でロープウエーの最終便の時間まで夜景を見ているわ」
「呪うなよ(笑)」
「でも、よかった。こうやってちゃんと逢えたんだから」
「寒いな。さすが函館だな。下に降りてどこかで飯でも食おうか」
[北の密会]の続きを読むテーマ:写真にコトバをのせて - ジャンル:写真
- 2007/04/07(土) 07:08:47|
- OLYMPUS E-300
-
| トラックバック:0
-
| コメント:5

列車の便が必ずしもいいとは言い切れない北海道内を、鈍行列車を乗り継いで旅をしようというのだから、自分がどこに行きたいかというよりも、時刻表まかせにどこまで行けるかという、成り行きまかせの旅がいい。
途中の乗り継ぎ駅では1、2時間の乗り継ぎ時間も珍しくない。
石勝線経由で札幌から帯広を目指したとき、時刻表では新夕張で2時間ほどの乗り継ぎ時間となった。はじめは、駅の周辺をうろうろして写真でも撮っていようかと思ったのだけど、「ん? もしかして、この2時間で夕張まで行ってこれるんじゃないだろうか」。
それで、改めて時刻表をくくってみたら、列車の便の悪いローカル線にしては珍しく、ちょうど2時間のあいだに夕張まで行って帰ってこれる列車があるのだ。
これはもう、夕張に行くっきゃない。
夕張には個人的にも思い入れがあるのだ。まだ石炭列車が走っていた時代にも写真を撮りに行ったことがあるし、観光で再起を図ろうと頑張っていた時代にも仕事で出向いたことがある。そんなわけで、改めて夕張の今を見てみたかったし、厳しい状況を応援したい気持ちもある。
ちょうど昼時でもあったので、夕張まで行って市内の食堂で飯を食おう。ほんの気休めかもしれないけど、地元で少しでも金を使いたかった。
吉野家で手打ちのざるそば600円を食う。意外とと言っては失礼かもしれないけど、店が混んでいたので、夕張に滞在できた1時間は、結局そばを食うだけで終わってしまったのだ。
急いで夕張駅まで戻り、もうホームに入っていた新夕張行きの1両編成のワンマンディーゼルカーに乗り込もうとする。
ところが、出発時間が迫っているというのに、なぜかドアが閉まったまま。乗務員ドアをコンコンとノックして運転士に「乗せてよ」と合図する。
運転士は、「あ、はいはい、いま…」というように目と手で仕草をして、少ししてからやっとドアを開けてくれたのである。
「すみません、ちょっと車両の調子が悪くて…。もう少し時間をください」
運転士は、携帯電話でどこかにしきりに状況を説明しているのだ。
「ありゃ、大変ですね。いいんですけど、ただ、新夕張で特急〈とかち〉に乗り継ぎたいんだけど、間に合いますかね」
「なんとかしてみます」
(鉄道豆知識:青春18きっぷは普通列車にしか乗られないが、新夕張と新得のあいだは特急列車しか走っていないので、特例としてこの区間では特急にも乗れる)
しかし、それでもなかなか走り出しそうにもない。ちょっと焦り始める津島。〈とかち〉に乗れないと、このあとの予定が全部狂ってしまう。
定刻をかなり過ぎてから、「お待たせしました。発車します。〈とかち〉は手配しておきましたから」。
ボクのせいではないとはいえ、貧乏旅行中の中年オヤジ一人だけのために特急列車を遅らせるというのは大変心苦しい。
右に大きくカーブしながら、ボクの乗った一両だけのディーゼルカーが大分遅れて新夕張駅に進入していく。反対ホームには〈とかち〉が止まっている。かれこれ、10分も待たせているのではないだろうか。
ディーゼルカーが止まるや否や、地下連絡通路への階段を二段飛ばしに降りて、〈とかち〉が止まっているホームへの階段を二段飛ばしに駆け上がり、「どうぼ、すびばせんね!」とか言いながら(iPodで枝雀の落語を聴きながら旅をしているので)、〈とかち〉に飛び乗り、無事に旅は続行と相成ったのであった。
テーマ:写真にコトバをのせて - ジャンル:写真
- 2007/04/06(金) 01:29:55|
- OLYMPUS E-300
-
| トラックバック:0
-
| コメント:5

仕事が一つ片づいたら、旅に出ようと思っていた。
ところが、仕事がなかなか片づかない。
出発予定前日、途中までできた仕事を持って、この仕事の担当者のU子のところに行く。
「明日からちょっと旅行に出るので、残りの仕事については今夜中に片付けてキミのところにメールで送るよ」
そう言って、とりあえず予定通り出発のメドをつけたのである。
がしかし、もともと遅筆なこともあって、その残りの仕事がなかなか片づかない。
出発当日の午前3時過ぎまで仕事をしていたのだけど、とても出発前に仕上げることは無理っぽい。
結局そのまま、逃げるように出発。
列車に揺られているあいだに、なんだか書けそうな気分になってきたので、持参したノートPCを取り出して、1500字ほどの原稿を一気に書き上げる。
昨夜遅くホテルに入り、U子にメールを出そうとしたら、そのU子からメールが入っていた。
原稿に関する若干の提案というか注文であった。
そこで、その注文に応じて手直しを加えてメールで原稿を送り、やっとU子への義理を果たせたのだ。
さてと、今日はどこまで行こうかな。
タンポポの綿毛のような、風まかせの気ままな旅をしています。
テーマ:写真にコトバをのせて - ジャンル:写真
- 2007/04/04(水) 09:01:09|
- OLYMPUS E-300
-
| トラックバック:0
-
| コメント:4

昨日の結婚式の披露宴で、新郎の友人たちが安っぽいなまはげの仮装をして「悪い子はオレだあ!」と叫びながら会場内を練り歩く愉快な余興をやっていた。
なまはげというのは、親の言うことを聞かない悪い子や怠け者を懲らしめるために「悪い子はいねがあ!(いないかあ!)」と叫びながら家の中で子どもたちを探しまわるもので、つまり、「悪い子はオレだあ!」は、そのギャグ。
それが結構受けて、披露宴の出席者の間では、「悪い子はオレだあ!」がプチブームになったのである。
今日、その披露宴の参加者を案内して、ボクが男鹿半島のなまはげの実演を見せてくれる施設に連れて行った。
ここは何度見ても面白く(連れて行った人が喜んでくれるのが嬉しくて)、友人や客人を案内して年に何回か足を運んでいるのである。
なので、施設の人たちともちょっと顔なじみになる。
ボクが入っていくなり、そのヒトがにやりと笑う。
「おや、いらっしゃい。この間は奥さんと一緒だったけど、
今日はまた別口ですね、へへへ」
あ、ああ、そ、それを言っちゃぁ…
今、ここにいるのが奥さんなんだけど…
[悪い子はオレだぁ!]の続きを読むテーマ:写真にコトバをのせて - ジャンル:写真
- 2007/04/01(日) 23:46:33|
- OLYMPUS E-300
-
| トラックバック:0
-
| コメント:3