津島修三ブログ

カメラマン兼ライター津島修三のブログ

ヌード撮影会

komachi603.jpg


※最初にお詫びしておきます。いつもながら、写真と文章に脈絡がなくてスミマセン。

「津島さんは、ヌード撮影会の講師をやってもらうことはできますか?」と、たずねられた。
不意をつかれた話だったので、かなり焦った。
一瞬、どう答えたらいいだろうと、迷った。
個人的にはあまり興味のない話なので断ってもよかったのだけど、「津島は仕事をえり好みする」と思われるのも厭だったし、実際、えり好みしている場合でもないので、どんな仕事でも躊躇なく引き受けるべきなのだ。
だけど、まだオトナになりきれていない津島は、あまり気の進まない話の時は、一瞬、逡巡の色が顔に出てしまうのである。

ヌードが嫌いなわけではない。
むしろ好物。なんだったら、ボクが脱いでもいい。(冗談です。スミマセン)
個人的にヌード写真を撮る機会があったら、雰囲気のいい味のあるヌード写真を撮って、このブログにもアップしたいと思ってる。
ただ、ヌードであれ着衣であれ、一人のモデルを大勢のアマチュアカメラマンが取り囲んでバシャバシャシャッターを切るあの撮影会の世界ってのは、正直、ちょっとなじめないのだ。それのどこが面白いんだろうって。
いや、でも、間口も奥行きも広い写真の世界だから、それだって紛れもなく写真の楽しみの一つには変わりないのだろうけど。

ボクに声をかけてくれたのは、地元のカメラ店。
お得意さんから、「ヌード撮影会をやってほしい」という要望が上がっているらしいのだ。
ボクでもよければやらせてもらいますよと答えておいたのだけど、どうしたもんかなあ。
ていうか、苦手意識を引きずるのではなく、むしろこの際徹底的に、「津島流オンナの撮り方」を開陳してやるか。
たとえば、女性は、相手の目を見るのではなく、相手の口元を見ている時が一番色っぽい。その理屈でいけば、モデルを色っぽく撮る時も、カメラ目線にさせるのではなく、カメラマンのアゴか首のあたりに目線を送らせながら撮ればいいのだ。
ちょっと“M”な気分の、あるいは、“M”な気分で、写真を撮りたければ、カメラを低い位置に構えて、モデルが見下ろすような視線で撮ればいい。
アゴを上げるのか引くのか、小首を右にかしげるのか左にかしげるのか、それだけで雰囲気は全然違ってくる。
一口にヌード写真と言っても、奥が深いのだぞ。
なんだったら、ボクが脱いで見本を見せてやってもいい。(冗談ですってば。スミマセン)


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  1. 2008/06/04(水) 01:11:30|
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切実なヌード写真

posi-06.jpg


「キミに頼みが二つあるんだ」
「あら、何かしら、改まって。あなたの頼みはいつもこわいのよね(笑)」
「キミの、ハダカの写真を撮らせてほしいんだ」
「な、何を言い出すの、いきなり?!」
「いや、真面目な気持ちなんだ。話だけでも聞いてくれないか。いいか、オレたちはもう、人生の半分以上を生きてきた。間違いなくいつかは死ぬ。キミかオレか、どちらかが先に死ぬ。もし君が先に死んだら、オレは、いずれはそれを受け入れなければならないだろうけど、ときにはしみじみとキミのことを思い出したくなるじゃないか。キミの写真はいっぱい持っているんだ。服を着ているやつはね。一緒に旅行した時のやつや、海や山に行った時の写真…。そんな写真を眺めながら、きっとオレは泣きながらキミのことを懐かしむと思うんだ。だけど、一つだけ足りないものがある。それは、ハダカでキミと抱き合った時の、キミの皮膚の感触や肌のぬくもりを思い出す縁(よすが)なんだ。服を着ているキミの写真からそれを思い出そうとするのは、あまりにも歯痒い。ハダカでキミと抱き合ったのは、二人で一緒に生きてきた想い出の中のかなりのウェートなんだ。だから、仮にキミが先に死んでも、ボクはずっとそのことをいつでも思い出せるようにしていたい。写真は、キミにも分かるところにしまっておくから、もしボクのほうが先に死んだら、写真は捨ててしまってくれても焼いてしまってくれても構わないから」
「ふふふ、あなたったら、そういうことだけは用意周到なのね。いいわよ、こんなハダカでよかったら、お好きに撮ってくださいな。せっかくだからきれいに撮ってね。少し、お肌のお手入れでもしておいたほうがいいかしらん。ところで、もう一つの頼みって?」
「ああ、つまりそれは、一番目の頼みの逆バージョン。オレのハダカをキミに撮ってほしいんだ。それをキミが持っていてほしい。オレが先に死んだ時の場合のためにね。無理にとは言わないけど、でもさ、笑い顔や交わした言葉の想い出だけじゃなくて、ハダカで抱き合ったことも懐かしく想い出にしていてほしいじゃん」
「うーん、今はまだあまり実感は湧かないけど、確かに、どちらかが先に死んでしまったら、やはりそういう、泣きたいほど懐かしく思い出せるものはあったほうがいいかもね。わかったわ、じゃあ、今度二人して撮りっこしようか!」


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  1. 2007/11/28(水) 12:57:52|
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列車、雨の日に。

hanawaline.jpg


せめて晴れていたら、少しは爽やかな気分でキミを見送れたのにね。

ごめんね、アタシのわがままで。

ううん、キミが謝ることはないさ。悪いのは多分オレのほうだ。

あなたには、ほんと、感謝してるわ。

そこなんだ。こんなこと言うのも今さら未練がましいけど、オレはキミに感謝されたいわけではなくて、なんていうのか、もっとこう、キミとはもう少し、うーん、なんて言えばいいのかなあ…

ダメなのよね、アタシって。男の人とうまくやっていけなくて。

それじゃ困るんだよ、オレも。せめて向こうではうまくやってくれないと。そうでないと、オレがキミをあきらめた甲斐がない。

ごめんね、ほんと、アタシ…

バーカ、泣くなって。キミの旅立ちじゃないか。無理にでも笑っててくれよ。

落ち着いたらメールするからね。

ああ。でも、あまり無理するなよ。男ってさ、あんがいケツの穴が小さくて、自分の女が他の男とメールするのを嫌がるところがあるからな。ま、オレはキミとは今まで通りの距離感でいたいけど、とにかくキミは彼との仲をうまくやっていくことだ。

じゃ、行くね。今まで、ほんとにありがとね。


じれったいくらいののろさで、彼女を乗せた鈍行列車が、ホームを離れていく。
ボクが失ったものの大きさに気づくのは、たぶんもう少しあとのことだ。
やまない雨の下、ボクはわざと顔をあげたまま、とぼとぼと田舎の小さな駅をあとにする。
 
 

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  1. 2007/07/23(月) 16:18:19|
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夏、築地。

20070721110644.jpg


暑い日だったと思う。
そういえば、日比谷線の築地駅で落ち合おうと約束していたけれども、いったい地下鉄の駅の地上への出口はいくつもあって、N子がどの出口から出てくるか見当がつけられなかった。
それでボクは、築地本願寺の前の歩道橋の踊り場のあたりまであがって、少しの高みから俯瞰して地上に現われてくるN子を見つけようとしていた。そのポロシャツの背中にジリジリと容赦ない陽射しが刺さり、約束の時間から少し過ぎていた焦りとあいまって、じっとりと気持ちの悪い汗をかくのだった。

はたしてN子のほうもボクを見つけられず、携帯を持たない彼女のこととて、そのあたりの公衆電話からボクの携帯に電話をかけてきた。
「着いてるの? どこにいるの?」
「そこから歩道橋が見えるかい? その下にいるよ」
やっと合流できたボクたちは、はじめに築地場外を冷やかして回った。
築地から佃島のあたりを回ってみたいんだ…というボクの話に、「つきあうわ」…と彼女がのってきていたのだった。
ボクのほうは食べ物にはあまり執着がなく、ただ自分なりの写真が撮れればよかった。N子のほうは美味しいものには目がなかったから、勝手に写真を撮っているボクとの距離を保ちつつ、目を輝かせて店みせを覗いて回っているのであった。安くて珍しい食材を買いたい気持ちもあっただろうけど、きっと今日の彼女はこういうところに来ることにはなっていないはずで、説明のつかない買い物は辛抱するしかなかった。

ボクたちはかちどき橋をわたり、月島に入る。
ひょろひょろと永井荷風でも現われそうな細く薄暗い裏小路を、ボクたちは並んで歩いていく。これは少し前の話なので、そうやって並んで歩きながら、ボクたちがどういう話をしていたのかという記憶まではない。ただ、それがとても穏やかな時間であったような記憶だけは残っていて、きっとボクたちは悪くないひとときを過ごしていたのだと思う。
とりとめのない話をしながら並んで歩き、そうかと思うとボクは絵になりそうな風景を見つけるとすぐに彼女に断わりもせず小走りに駆け出してジーパンの片膝を地面についたりしながら一枚二枚とシャッターを切るのだ。その間も彼女は退屈もせず、むしろ物珍しげにうっすらとした笑みをたたえながら下町の商店街のショーウインドーを覗いて過ごすのだ。

「この店にしようか」
月島である。もんじゃ焼きを食べなければここまで来た甲斐がない。
「はじめてですか? おつくりしましょうか?」
ふくよかなおかみさんが、愛想良くボクたちのテーブルでもんじゃ焼きをこしらえてくれる。
「ええ、お願いしますわ」などと応えながら、N子はボクの女房の気取りだ。
店の人もきっと、亭主が写真趣味のただの中年夫婦と疑わなかっただろう。
そして、ひととき、ボクら自身もひそかにそういうたたずまいを楽しんでいたのだ。
「飲みたいんじゃないの?」ボクの目を覗きながらN子が聞いてくる。
「うん。できれば」
「すみませーん、ビールお願いします」
大ビンと、安っぽいコップが二つテーブルに届く。
どうぞといいながらN子がボクに酌をする。
そのビンを引き取って、「きみも」とN子にもすすめる。
「じゃ、少しだけ」そういってN子はコップに半分の酌をボクから受ける。
コチンと小さくコップをぶつけて「おつかれさま」などと妙な乾杯の挨拶を交わす。
ボクはほとんど一気にコップの半分以上を飲み干し、フーッと大きなため息をつく。
N子も、「おいしい!」と小さく叫び、ふちについた口紅を軽く拭う仕草でコップをテーブルにおく。

佃島という地名からは、典型的な東京の下町のイメージを抱いていたのだが、今のそこにあるのは高層マンションが林立するという近未来的な光景。
撮りたい風景がないことに戸惑いながら、隅田川の川べりをおろおろと徘徊する。
まだ日は高いのだが、帰りの時間を考えるとそろそろお開きの時間だ。
ボクらは門前仲町から大江戸線に乗り新宿に向かう。
他の電車より狭い大江戸線の車内で並んで座り、あっけらかんとあいも変わらぬ他愛のない話をしているボクたちだ。
「じゃあね」
ちょっと強めの握手をして、N子は新宿駅でJRの改札機の向こうに吸い込まれていった。

考えてみれば、あれは、ボクとN子が一緒に過ごした最後の一日だった。
あれは、ボクたちの〈卒業旅行〉だったのかもしれない。

それを〈恋〉と呼んでいいのであれば。
 
 

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  1. 2007/07/21(土) 12:02:30|
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フラッシュバック

snowybath.jpg


ときどき、メールソフトの調子がおかしくなるんだ。
読み終わってメールボックスに残している着信メールはすべて〈既読〉になっているのに、何かの拍子に〈未読〉に戻ってしまう。
間違って消してしまうよりはいいけど、一つ一つ手作業で〈既読〉に直していかなければならないのでめんどくさい。
まあ、ついでなので、一つ一つ〈既読〉に直しながら、今まで消し忘れていたごみメールとか、もうこれは消してもいいなと思われるメールを削除していくのだ。
そういう意味では、定期的なメインテナンスの一環だと思えばいい。

しかし、その作業が別の意味で辛く思われることがある。
それは、今はほとんどメールをくれなくなったヒトが、かつての一時期にはとても頻繁にメールをくれていたという事実が蘇ってくることだ。
そういうメールをやり取りしていた季節のことや、その頃のボクの心の中のことなどが、フラッシュバックのように蘇ってくる。
今さら想い出すのはちょっと切なかったりして、できればずっと忘れていたかった。

だけれども、そんなメールはいつまでも捨てきれずにいる。
 
 

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  1. 2007/06/15(金) 02:40:11|
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