
[大弛峠/夢の庭園]
テレビのバラエティ番組などでしばしば、“パートナーの携帯電話を盗み見することの是非”が議論されることがある。
パートナーに何か隠し事がありそうな気配があると、どうしても携帯を見てみないわけにはいかないという人もいれば、見ることで何かが分かったとしてもいいことなど何もないから最初から見ないことにしているという人と、大体意見は半分に分かれる。
見ることでコトをはっきりさせたいという心理も分かるし、見ることで何かが露見しても余計にモヤモヤしてしまうだけだから敢えて見たくないという心理も分かる。
これはまあ、人としての価値観とか人生観とか器とか経験値とか、そういうもので分かれるのだと思う。
ボクだって、若いころには、女房がクラス会からの帰りが遅くなると、“何かあったんじゃないか”と詮索したくなったものだったけどし、今はもう、何かちょっと“挙動不審”なところがあったとしても、“日常生活に支障がない限りは良しとする”…というスタンスだ。

[撮るなら撮るで早くしてよ! このポーズ、辛いんだから]
携帯を見るか見ないかというのは、言い換えれば、細かいことが気になってしまうか、気にせずにやり過ごせるかということだ。
さあ、そこでだ。
ここからが本題なのだが、過日のドライブ旅行では、日本の国道の最高地点となる渋峠に行ってみることが一番の眼目だったのだけど、さらにネットでいろいろ調べてみたら、国道に限定しないで日本の道路の最高地点はとなると、山梨県と長野県のあいだにある大弛峠が標高2360mで最も高い。(一般車の通れない乗鞍エコーラインを除いて)
こうなるともう病膏肓、「渋峠もいいけど、大弛峠にも行ってみたい!」と、気になって気になって仕方がないのだ。

[そのうち片づけとくから、気にしないでね]
東北に暮らしていて、標高2000m超の地点までクルマで行けるなんてことは、物理的にあり得ないことなのだ。
しかもだ、大弛峠のピークから眺望が開けるところまで木道や木の階段が設けられていて、「夢の庭園」と名付けられているという。
ちょっと大仰な命名にも思われるけど、きっとそれだけ眺望が素晴らしいということなのだろう。
ああ、いっそ大弛峠のことなど、知らないままでいればよかった。
知ってしまったばっかりに、なんだかボクはずんずんと禁断の領域に足を踏み入れ始めているような気がするのだ。
足腰にはすっかり自信をなくしているので、逆にその反動もあって、夜ごと夜ごと、クルマに乗ったままたどり着ける高地を、地図の中から拾い集めている日々なのだ。
大弛峠のパノラマはこちら↓
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- 2009/07/04(土) 17:03:23|
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[牛渡川]
女房が、「牛渡川(うしわたりがわ)に行ってみたい」と、言い出したのだ。
ほほう、ずいぶん渋いところに行きたがるじゃないか。
よろしい、それでは連れていってやろうと、昨日出かけることにしていたのだ。
ただ、ボクは昨日のうちに原稿を一本仕上げてしまわなければならなくて、「10時半までに仕事を片づけてしまうから、それから出かけることにしよう」と、言っておいたのだ。
はたして10時半頃になって、「まだかかりそう?」と、敵は言ってきた。
「あと5分か10分くらいだ」
「分かった」
それから10分もしないうちに仕事は片付いて、ボクは出かける準備で寝室に靴下を取りに行った。
すると、そこにいた女房は、パソコンを立ち上げてゲームをしていたのだ。
(ちっ、なんだよ。すぐにでも出発できるというのに、ゲームを始めてるのかよ)
ボクはそのまま寝室を出て仕事部屋に戻り、あとは女房のタイミングで出発の時を待っていた。
ところが女房は、なかなか二階から下りてこない。
どうしたんだろう。気紛れな女房のことだから、今日は行くのをやめにしてしまったんだろうか。
1時間も過ぎた頃、かなりイライラした調子で、「まだ終わらないの?!」などと言いながら女房がボクの仕事部屋にやって来た。
「何言ってんだよ。とっくに終わってるよ。オレはお前が下りてくるの待ってたんじゃないか!」
「終わったら終わったって言ってくれたらいいじゃない!」
「5分10分で終わるって最初から言ってたじゃないか」
「そんなこと言ったって、長引くときだってあるじゃない」
まあ、他人から見れば、犬も食わない夫婦喧嘩の典型かもしれない。
「いい! あたし一人で行ってくる!!」
ボクは、珍しく声を荒げた。
「待て! ふざけんな。勝手な真似はするな!」
一人で行こうとするのを引き止めて、ボクが運転席に乗り込む。
こちらが悪いわけでもないのに、そんな風にキレられて、好き勝手にされたのではたまったもんじゃない。
それに、女房がいきなり一人で行ってたどり着けるようなところじゃないのだ。
(いいか、勝手な真似はされたくないからオレが運転するんだ。オレが折れたわけでもないし、お前がちゃんと「ごめんなさい」と言わない限りは許す気もないのだからな)…と、ココロの中で叫びながら、しかし牛渡川まで約90km、ボクと女房はクルマの中で一言も交わさなかったのだ。
女房は、今の季節しか見られない梅花藻(バイカモ)の繁茂を見たかったらしいのだ。
しかしなかなかそのポイントは見つけられない。
まだ仲直りしたわけではないボクらは、ぼそぼそと、「どのあたりだろうねえ」、「あっちのほうに行ってみよう」などと言い合う。
そしてほどなくその場所は見つかり、ひとしきり感慨に浸ったあと、やがて女房は林の中に群生する山菜のミズに関心が移り、夢中になってミズ採りにかけずり回る。
そのあいだボクは川の写真を撮っている。
お互いの“用”が済んでクルマに戻ると、「“道の駅鳥海”に行け」と女房が指し図してくる。そこで飯を食うのだと。
漁港に近いこの道の駅は、魚介類を煮たり焼いたりしたものを売っていて、それを定食にして食うことができる。
女房は銀カレイの煮魚定食、ボクはイカフライ定食。
食べ終わって駐車場に戻るとき、女房は小さな声で「満足…」とつぶやいた。
それは、(連れてきてくれてありがとう)…というニュアンスにも聞こえたけれども、けっ、ちゃんと「ごめんなさい」と言わない限りはオレは許す気はないんだからな。
「風呂、入っていくんだろ?」と、ボクのほうから確認を取り、途中の日帰り温泉に立ち寄る。
風呂上がり、「アイス食べたくない?」と、女房が聞いてくる。
オレは別に食べたくもないけど、お前が食べたいのなら食べればいいじゃないか。
ボクの財布から250円を渡して、女房がソフトクリームを買ってくる。
その一個のソフトクリームをクルマの中で代わる代わる舐め合いながら、ボクらは家路についたのだ。
だけど、お前がちゃんと声に出して「ごめんなさい」と言わない限りは、オレは許したわけじゃないんだからな。けっ。
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- 2009/07/03(金) 22:43:10|
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[KUSATSU]
29日は早朝に草津を出発して長駆500km走って我が家に帰り着き、30日は近くの町の公民館主催のデジタル写真講座で10人ほどの町民の皆さんを前に写真の話をして、「ものを大きく撮る時はカメラを近づけるだけでなくズームも活用してくださいね」、「ズームってなんですか?」…と、(うわっ、そこから説明しなきゃいけないのか?!)などと焦りつつ、とにもかくにも、それで今年の半分は終わったわけです。
せめて7月1日は休養日にしようかと思っていたら、「お願いしてある原稿なんですが、2日中にはあげてもらえますか」と電話。それで1日も休めないまま、一年の後半戦に突入です。
今回のドライブ旅行がちょっと笑っちゃいたくなるくらい愉快だったのは、大弛峠というところを越えるときにシカの子どもと遭遇し、こちらがクルマの窓をあけてカメラを構えるまで至近の距離でポーズをとってくれて、それだけでなく、渋峠を越えたところではニホンザルを見つけて、広角ズームから望遠ズームにつけかえても十分にシャッターチャンスが残されていたりして、日頃秋田に住んでいても野生動物に遭うことなどほとんどないのに、一度のドライブ旅行でシカとサルに遭い、しかも悠々と写真に撮れてしまうんだから、なんだか可笑しくなっちゃう。
一年の半分が過ぎて、最高にハッピーなことってのはほとんどないけど、なんとなく“平穏平和”な日々かなとは思う。
この調子で、残りの半年も乗り切りたいものだと思う今日この頃。
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- 2009/07/01(水) 14:46:46|
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[渋峠]
「このルートが近道だと思うの」
奈美子がそう言うので、先を急ぐ旅でもないボクは少し鷹揚に、
「きみがそう思うんだったらその道でいいよ」と、進路を奈美子任せにする。
あるいはまた、
「こっちの道が近道だと思うんだけど…」と言い張る奈美子に逆らって、
「いや、すまないが、ここだけはオレの勘に任せてくれないかな」と、強引に自分で進路を決めたりもする。
ときどき奈美子は、思い出したように、あるいは、しばらく続いていた二人のあいだの沈黙が耐えきれなくなったように、「この先はしばらく道なりよ」と、口走る。
山の中の一本道だもの、「そりゃそうだろうよ」と、ボクは冷ややかなトーンで奈美子にツッコミを入れる。
奈美子ってのは、ボクのクルマについているカーナビのことなんだけどね、ボクの土地勘のない土地を走るときに、奈美子の道案内にずいぶん助けられたり、奈美子が言い張るルートよりもボクの勘のほうが正解だったりと、なんだか、人とナビの二人三脚珍道中といった、丸三日間のドライブ旅行でありました。
総走行距離1600km。
標高2000m超の三つの峠を走破したいという出発前の目論見を達成できたので、まずは上出来の今回のドライブ旅行と言っていいだろう。
今朝は草津温泉の道の駅の駐車場にとめたクルマの中で朝を迎えたのだけど、キャンピングカーやワンボックスカーで、道の駅で寝泊まりしながら旅をする中高年がかなりいたのには驚いた。
羨ましいなあ。どうしたらそんなライフスタイルを送れるのかなあ…。
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- 2009/06/29(月) 23:45:36|
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うちの奥さんは話の分かる奴なので、ボクがどこかに旅行したい時も行き先と目的は正確に伝えることにしている。
せめて奥さんには、あまり嘘はつきたくないのだ。
(全然ヒミチュがないわけでもないけど)
親父は、人の行動に不干渉というか無関心というか、ボクが「2、3日○○まで行ってくる」と告げると、「お、○○か」と言うくらいで、それ以上は食いついてこない。
問題は母親だ。
この人は、非常に過干渉だ。
ボクがちょっとでも家を空けようとすると、「どこへ行くの? 何の仕事? それは金になるのか?」と、執拗に食いついてくる。
いくら同居してるとはいえ、なんで母親に詳細に説明してやらないといけないのか。
「○○まで写真を撮りに行ってくる。戻りは月曜日だ」
「あら、遠いのね。気をつけてね」
その程度のやりとりで十分じゃないか。
特に母親は、旅の目的と、“それは金になるのか?”ということがとても気になるらしい。
ボクだってたまには仕事を忘れて趣味的に写真を撮ってみたり、あてもなくプラプラしてみたくなることもある。
母親は、そういう理由で家を空けるということが考えられないみたいなのだ。
なのでボクも、母親にはウソをつく。「長野まで行ってくる。撮っておかなければならない写真を撮ってくる」。
案の定、「それは金になるのか?」と聞いてくる。
あのねえ、確かに、頼まれて撮ってくる写真もあるし、そういう場合はすぐに金になるけど、金になるならないは二の次にしてでも撮っておかなければならない写真てのもあるのよ。それに、仕事ではなくして撮ってみたい写真もあるのよ。
おそらくこの母親は、そういうのが理解できないのだと思う。自分だけの狭い世界感の中で生きてきた人だから。
だからボクは、時間をかけてちゃんと丁寧に説明するのではなく、ウソをついてはぐらかしてしまう。
余計な詮索をしないで気持ちよく送り出してくれるのなら、ボクもウソをつかないでちゃんと行き先や目的を告げるし、土産も買って気持ちよく帰ってこれるというものだけど、なんか、我が家では、いつもいつも、少しだけ苦々しい気分を引きずって旅に出ることになるのだ。
というわけで、ほんとは長野よりもうちょっと先まで行くのだけど(長野も行き帰りに通らせてもらいます)、“長野に仕事に必要な写真を撮りにいく”というテイで、今から出発します。
では皆様、よい週末を!
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- 2009/06/26(金) 19:55:53|
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